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第59話

「無理はしないように伝えては来たから…昼休みはここに来るみたい」 翌日登校すると3人で話をしていた。それを見て颯が声をかけた 「会長」 「おはよう。三葉。昨日はありがとう」 「いえ。霜月くんたちのことは口止めしておきました。」 あの後わざわざ言うまでもなかったが颯はそこに居合わせたみんなに念のため口止めをしていた。 「ありがとう」 「暫くは大きな仕事もないですし側にいてあげて下さい。みんな霜月くんのこと好意的ですから元気がない姿は見たくないはずだし。彼にとって一番いいのは貴方が側にいることだと思うから」 この言葉はどれだけ葛藤しながら紡いだだろう… 「何かあったらすぐ報告してくれ。悪いけど今は甘えさせてもらう」 「はい」 「睦月」 「あたるん大丈夫?」 「今日は学校に来てる。昨日は見つけてくれてありがとう。お前たちが見つけてくれて良かった…本当に…ありがとう」 俺と滋野、引田を見てそう小さく呟く 「あたるんは俺たちの可愛い後輩だしね。見付けられて良かった…昨日のこと他には言ってないから」 「助かる…出来る限り…知られたくないから」 「わかってる」 雪割は気付いているのだろうか?自分が今どんな顔をしているのか…中を思い慈しむような表情をしているということに その時制服の裾を引かれた。颯が耐えるように雪割から見えないように俺の影にかくれうつ向いていた。 「焔…」 「うん…」 そのままそっと手を握り離した。そのまま教室を出ると颯がついてきた。ついてきた颯と共に空き教室に向かい扉を閉め外から死角になっている場所へ腰を下ろし颯を抱きしめた。 「頑張ったな…」 「ん…良かった…です…雪割たちがうまくいきそうで…っ…ちゃんと出来ていましたか?」 「うん。大丈夫だよ…」 「…俺も…進みたい…だから…思いを伝えてみます。そしたら進める気がするから」 「わかった」 もう一度颯を抱きしめ直して髪に口付けた。まぁ相も変わらず颯は気付いてないけれど。 颯の心がすぐに戻りますように…そう願いを込めて

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