70 / 124
第70話
颯が落ち着いてから朝食を食べさせて出掛けた。家にはいたくなかった。
家にいたらまた颯がおかしくなってしまいそうで怖かった
俺が颯を好きなことを本人に知られてしまってこれまでの関係がおかしくなっていくのかもしれない…だったら…今日だけでも一緒にいたい
いろんなとこに連れ回して二人きりにならないようにした。
中央街の通りに来たときだった
「おー!お疲れ!!二人とも」
振り返ると滋野がいた
「なぁに?デート?」
「お前は?一人?」
「今からアキラのとこにお茶しにいくとこ。あ!三葉お前甘いもの好きだったよな?新作出たらしいから付き合ってよ」
「アキラ?新作?」
「あぁ。アキラは俺の想い人。店はスイーツが評判のカフェだよ!お前が好きそうなのあるから気晴らししようぜぇ!なんか二人とも変だぞ?」
「ちっ…」
「ふぇ?三葉に舌打ちされた!うーわぁ!以外」
「滋野の鋭いところがどうも苦手です。」
「えぇ?そんな嫌わないでよ!ほら。これ!ここにいくの」
焦ったように滋野がスマホの中の写真を見せると颯の表情がたちまち明るくなる
「美味しそう!!行きたいです」
「そうこなくっちゃね!」
「焔、焔!!美味しそうですよ!!楽しみですね」
「何それ…可愛い…」
「当然だろ?颯だからな」
「なんですか?」
「何でもなぁい!いこっ!!」
滋野の後に続いて店につくとアキラがいた
「いらっしゃいませ!うーわぁ!美人さん。初めまして。アキラです。紫音の友人です」
「初めまして。可愛らしい人ですね。滋野が惚れるはずです」
「だろぉ?もうね、可愛くて堪らないの」
「煩い!はい。お待たせしました」
三人で席に座ると颯がそわそわと落ち着かない。
「颯。食べな。」
「うん!いただきます!あ!滋野ののも少し分けて」
にこにこ笑顔の颯に戸惑う滋野。それはそうだろう。こんな幸せそうな顔学校じゃしないから
「すげー…可愛い」
「お前にはアキラがいんだろ?そんな見んな。颯が減る」
「うわぁ。らしくねぇなぁ。焔」
「うっせ…何とでもいえ。颯は可愛いんだ」
「滋野滋野!」
「ん?」
「それ…頂戴」
「いいよぉ。その代わりそっちのそれ頂戴よ」
「うん!!交換こだね」
「…すげー…別人」
「甘いもの食ってるときはこんなんだ。お前にまで知られたくなかった」
「だろうな。見せらんねぇな。即効で落ちるわ」
「俺の気持ち颯にばれた」
「は?」
突然のカミングアウトに滋野が固まる
甘いものを食べてるときの颯は人の話は聞いてない。だから滋野に明かした
「それ。後で詳しく聞くわ。連絡できるときにして」
「わかった」
ともだちにシェアしよう!