颯の機嫌はｱｷﾗの店で治ったようだ 「美味しかったねぇ！焔！」 「そうだな」 「お前スゲーな…顔にでないとか」 「だろ？」 「二人で何を話しているのですか？」 「何でもないよ。そろそろ帰る？今日は頼さん早く帰れるんでしょ？」 「えぇ。ですから二人きりにしてあげようと昨日の段階で焔の家に泊まることを了承済みです」 「え？！今日も？」 「嫌なんですか？」 「ちがうけど」 「ちゃんと両親と昌子さんには許可を得てますよ。今日は俺が夕飯の準備をしますね」 「へぇ。いいなぁ。俺も食ってみたい。三葉の手料理」 「…じゃあｱｷﾗさんも誘ってください。あまり豪勢なものは出来ませんがそれでよろしければ」 「ｱｷﾗ夜もバイトだからなぁ…」 「じゃあアキラさんの許可は得てきてくださいね。ｱｷﾗさんとあなたは相思相愛に見えましたから心配させてはならないでしょ？」 「じゃあ連絡するぅ。」 滋野は図々しくも見えるが今日はいてくれた方が助かる。きっとそれを察してくれたのだろう 程なくしてｱｷﾗの許可を得た滋野とは一旦別れて買い物をし帰宅する。 「なんか手伝うことある？」 「じゃあ…」 そんなこんなで飯ができた頃滋野はやって来た。 「お前の家でかいのな？」 「そうか？」 そういえば颯以外の友人を入れたのはこの間の雛菊と弥生先輩以来だ。 「隣は颯の家」 「えぇ？あの豪邸？すげー」 「いやいや…滋野のところの方がでかいでしょ？ 」 「でかすぎて落ち着かない。そんなことない？」 「うちはそこまでないです」 「うん、颯の家はでかいけど落ち着けるとこたくさんあるから俺は好きだよ」 「今度招いてよぉ！」 「機会があればですね」 滋野がいてくれたお陰で賑やかな夕飯となった。 下らない話で盛り上がって食べ終えたら片付けて。よかった。颯がいつも通りだ…その事に安堵して… 「滋野泊まってく？」 「いや。ｱｷﾗ迎えに行く。だからｱｷﾗが終わる頃までいさせてよ」 「別にいいよ。颯は…もう眠いだろ？風呂行って来いよ」 「はい…ではお言葉に甘えて」 部屋を出ていった颯を見送った 「三葉もう寝るの？子供？早くね？」 「今日は頑張った方だな。いつもならとっくに寝てる」 「そうなのか？」 「颯の睡眠時間は平均10時間だ」 「え？」 「一度寝たら朝まで起きてこない…はずだったんだけどな…」 そして昨日あった出来事を掻い摘んで話す 「それで…ばれたんだ」 「そう…だから…これからもしかすると颯は俺のことを避け始めるかもしれない…そうなるとまた変な輩が颯に寄ってくるだろう。滋野。颯のこと守ってくれねぇか？」 「避ける？かな？そうはならなそうだけど」 「そう見えないように颯が振る舞ってるだけ」 「そうか？」 「頼んだぞ」 「まぁそうなればな」 「ありがとう」