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第73話

時間になったので滋野を見送って風呂にはいる。 いつものように猛りを鎮めて部屋に戻ると幸せそうな顔で規則正しい寝息を漏らしながら眠る颯に近寄ってそっと撫でる 「颯…おやすみ」 颯の隣に潜り込んで目を閉じた。颯の俺より少しだけ低い体温はとても心地よく俺も直ぐに眠りに落ちた 翌朝まだ起きない颯をそのままに朝食を用意する。これも颯が泊まりに来る日の日課だ。 「あれ?いつもより遅いな…」 部屋に行くとまだ布団に潜り込み眠る颯 「颯。朝だぞ。起きろ」 「焔…はよぉ…」 「どっか悪いの?」 「ううん…焔。少しだけ添い寝して?」 「あぁ。別に構わねぇけど」 颯を抱き締める。 「焔…俺おかしくなったみたいです」 「ん?」 「焔がいないと淋しくて涙が溢れちゃうんです」 「ん~よっぽど雪割のこと堪えてるんだな」 「そうかもしれませんね。あなたの気持ちを知りながらこんなにも酷な願いばかりしてしまいすいません」 「俺は大丈夫だっていってるだろ。これまでと変わらないでいられるよ。だから昨日のこと悪い夢だと思って…」 「わかりました。そうします」 やっぱりきついけどそれが一番いい。 颯と一緒に食事を摂り一日中家で映画をみて時を過ごした 明日からはまた学校だ。 まさかのことが起きるとはこの時の俺は気付いていなかった

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