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第102話
服を着替えて下に降りたけどアメリアさんたちはまだ帰ってなかった。
「飲み物取ってこようかな…」
流石に勝手に冷蔵庫を開けるのは申し訳なくて一旦戻ることにした。
その前に颯の体を綺麗にしてあげよ。俺のと颯ので汚れてしまった体を綺麗にしてあげてもう一度部屋を出て自宅に戻った
「ただいま…」
「おかえり」
「父さん。帰ってたんだね」
「あぁ。飯残ってるけど食うか?」
「持っていってもいい?」
「いいぞ。今日は泊まるのか?」
「うーん…わかんないけどご飯まだだから颯と一緒に食べたいなぁって」
「わかった」
「寂しい?」
「なんだそれ」
「心配そうな顔してるから」
「そうか?大丈夫だよ。ただ…その恋人は…大丈夫なのか?」
「あぁ。別れたんだよね。」
「そうか」
父がほっとしたような顔をした。父も颯が大好きだったみたい。
「うん。じゃあ行ってくるね」
「焔。」
「何?」
「颯くんと…仲良くな」
「うん。ありがと」
飲み物とまだ温かい料理を運んでリビングにいった
「颯…起こそ」
そして部屋に向かうと凄い勢いで扉が開いた
「うわぁ!」
「あ!焔。」
「どうしたの?慌てて。何かあった?」
「良かった…焔が…いなかったから…」
その場でへたり込む颯…嬉しい…俺を必死に探そうとしてくれたのが嬉しい…どうしよう…にやける
「ごめんね。夕飯食べてなかったから準備してた。降りられそう?」
「はい」
「んじゃあ…その前に…何か着ようか?えっと…俺の俺が俺でなくなりそうだから」
颯は全裸でそこに踞っているのだ…暴れてしまう…
今気づいたのか颯は全身真っ赤に染めて両腕で自分を抱き締めるけど…それでも…全部見えちゃってる…可愛い…
「隠れてないよ?」
「あ!あの…」
「ふふ…可愛いなぁ…よっと…」
恥ずかしがる颯を抱き上げてそっとベッドに下ろすと焦ったように布団を自分に纏わせた
「…本当に…可愛いなぁ…俺外に出てるから着替えておいで」
「はい…」
まだ頬を染めたままの颯。見ていたいけど可哀想だし外で待つことにした。すぐ颯は出てきてくれた。
「お待たせしました」
「ふふ…まだ赤いね。」
「言わないで下さい…恥ずかしい」
「もっと恥ずかしいことしてるでしょ?」
「それとこれとは…もう!いいから行きましょう」
ぷりぷり怒ったように颯が歩き出す。そんな姿も可愛くて後ろから颯を抱き寄せた。
「何です?」
「ん~何でもないです」
「そうですか」
「手を繋いでもいい?」
「いいですよ」
颯の手を取り下に降りる。食器とかはお借りして簡単に盛り付けてたから後は食べるだけだ。
向かい側に座って一緒に手を合わせた。
「今日は大二郎さんのご飯なんだね」
「わかるの?」
「はい。わかりますよ。沢山食べさせて貰ってきましたから。うちは知っての通り父は大変忙しい人です。だからよくお世話になってたんですよ」
「そっかぁ」
頼さんは大きな会社の社長さんでアメリアさんは在宅で洋服を作る仕事をしてる。アメリアさんの方は趣味範囲でやっていたみたいだけどやっぱりアメリアさんの作る服は大人気で忙しいときはとても忙しい。二人が忙しいときうちに来ていたのだろう。
俺の記憶にはないけれど…そう思うとやっぱり取り残された感じがして寂しい
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