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第115話

そうちゃんは俺から離れなくてそれがとても可愛かった。 とんっと肩を叩かれ振り返るとびっくりした 「七雲せんせ?」 そう言うとその人は苦笑して頭を撫でた。俺は背は高い方だけど俺よりも高い。整った顔は困ったように笑ってる。 「七雲 克哉です。洸哉の兄だよ」 「お兄さん?双子の」 聞いてはいたけど本当に驚くほどそっくり。 「すいません…聞いてはいたのに」 「いや。いいよ。本当に颯くんに関すること覚えてないんだね」 「はい。でも…颯のことが好きで…それは変わらなかったみたいです。今お付き合いしてます」 「そうか…よかった…洸哉の願いが叶った」 「先生の願い?」 「そう。颯くんのことを愛していたからこそ他の誰でもない君に颯くんを託したいと…死ぬ間際まで言ってた」 「…」 「…ねぇ。焔くん」 「はい。」 「また…会いたいって言ってくれてありがとうね」 「…先生のためじゃないです…俺自身の記憶のため…みんなは焦らなくていいって言うけど…でも俺…早く…思い出したいんです…今も颯のことが好きで…交際が始まった…でも…今の俺は…颯の好きな俺じゃない…きっと先生が知ってる…託したいと…そう思ってくれた俺はもっと男らしくて誰より一番に颯を思って颯を大切にしてた…だからこそ…このブレスレットをくれたんだと思うんです。でも…今は…俺本意になっちゃってるんです。颯よりも自分のこと…颯は優しいから…許してくれるしそれが嬉しいといってくれるけど…でも…きっと本当は…」 「颯くんは焔君には思ったことはすぐに口にしてくれる。そうじゃない?我慢して偽りを言ったりする子ではないって俺は思うけど。だから颯くんの言葉はすべて本音じゃないかな?」 「そう…なの…かな?」 「そう思うよ。俺は当人ではないけど颯くんの雰囲気とか性格とか…話してみたらきっとそうだと思えたんだよね」 「だといいな」 「ほら。そうくん。こっちおいで」 「や…やーよ…」 「えぇ?パパ寂しい…」 「ふふ…かぁわいい…」 「そうくーん…」 そうちゃんは嫌々と首を降りながらそっぽを向く。俺は嬉しいけど克哉さん寂しそう 「いつも来てくれるのに…焔くんが好きになったんだね」 「だぁーいすき」 「えぇ!?ほんと?ありがとう。俺もそうくん大好き!!」 小さい手で俺の頬をぎゅーってしながらニコニコと笑ってる。本当可愛い… 「えぇ?パパは?」 「…」 「えぇ?無視しないでよ!そうくーん」 「あははっ!!克哉さん!イケメンが台無しになってる」 そんなこんなで漸く席についたら颯が少しだけ頬を赤らめて満面の笑みでえみりさんとお話ししてた。 ズキッと胸が痛んだ

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