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第116話
「颯…楽しそう…」
「焔?どうしました?」
「可愛い顔してる…」
「は?」
「だめなんだよ…えみりさんには克哉さんとそうちゃんがいるんだからね…」
「何を言っているのです?焔?」
「うぅ…やだぁ…そんな顔俺じゃない人にしないで…」
「あらあら…妬いやっちゃった?颯くんがこんな顔してるの焔くんの話してたからよ。焔くんのこととても愛しいんですって。素敵ねぇ。」
「俺もえみりのこと愛しいよ」
「ふふ…知ってる」
「俺のこと話してたの?」
「そうですよ」
「前のあなたも今のあなたも愛しくてしかたがないんですって」
「ちょ…えみりさん…他の人から自分の気持ち伝えられるのって…恥ずかしいですね」
「ふふ…真っ赤…りんごみたい」
「リンゴさん。かぁいい」
「そうすけくんまでぇ…」
「そうちゃんおいで」
今度はえみりさんにおいでと言われるけどそうちゃんは颯に手を伸ばした
「やー!」
「抱っこしても、いいですか?」
「もう…この子は…綺麗な人が大好きだから。いいよ。抱っこしてくれる?」
「はい。ふわぁ…プニプニ…可愛い…」
颯の抱き方はぎこちなくて何だかドキドキする…でも…凄く…綺麗…
俺と颯の子供…想像したらにやける
でも…今はまだ男の人は子供は産めない。…子供が産めるようになる薬が開発中だと聞いてるけど…そんなのいつになるかわからない…俺とずっと一緒にいてくれるのはとても嬉しいけど…颯に颯の子供を抱かせてあげることは…俺相手ではできない…
「焔?また変なこと考えてます?」
「え?」
「後でそれは聞きますね。落としちゃうと怖いので…えと…そうくん。ママにいこうか?」
「やー!!」
とても不服そうに口を尖らせて頬をぷーっと膨らましてるそうちゃん
「困ったなぁ…」
「そうちゃん。おいでぇ!!」
俺がまた呼ぶとにっこり笑って来てくれた
「あー!!やっぱ可愛い!!」
そんな俺を見て颯が少し影を落とした
同じことを考えてるんだ…俺たち…だったら嬉しいな…
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