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第7話

 ルイは小さな店に寄って、依頼していたらしい品物を受け取ったあと、基地に向かった。  基地に着くと、当然だがローレニア帝国の兵ばかりで、滅多なことでは動じないリアムも、威圧感に怯みそうになった。  シャワーを浴びせられた後、擦りむいた所の手当てを受けて、ベッドと机、椅子があるだけの簡素な部屋に連れてこられる。  服は体を隠すためだけにあるような白い布を被せられた。服というよりは布と言った方がしっくりくるくらいシンプルな作りだ。 「仕事や用があるときは呼び出す。それ以外はここで好きにしていろ」 「……一人部屋が、あるのか」  奴隷にされると聞いていたから、もっとひどい環境に置かれるかと思ったのに、養成所の寮と大して変わらない部屋を与えられて、少しばかり戸惑う。 「ああ、お前は危険だからな。四人部屋には入れられない」 「いや、そうじゃなく……地下牢みたいな所に入れられるんだと思った」  思っていたことをそのまま呟けば、ルイは不愉快そうに眉を顰める。 「奴隷となった以上、お前もローレニアの人間だ。労働は強いるが最低限の生活はさせてやるつもりだ。……まあ、悪さをするようなら地下牢行きだが」 「……そうかよ」 「頑張り次第では昇級もさせてやる」 「昇級……? 奴隷じゃなくなるのか」 「……まあ、最終的にはそうだな。奴隷から上がるのは極僅かだが、奴隷の中でも階級に応じて特権がある」  階級によってある程度の自由や報酬があることを伝えられ、思っていたよりも悪くない扱いに肩の力が抜けた。  その後、魔術師が巡回に来たが、「治療した方がいい」という魔術師の勧めをルイは断ってしまって、リアムの体は疲弊したままだ。  百キロ近く、それも途中仲間を背負って歩いたせいで、全身が(きし)むように痛い。  他の仲間より体力があるとは言え、魔力を含めΩ的特徴が強いリアムは、もともとの体力は仲間の中でも低く、六年間鍛えてようやく手に入れたものなのだ。それゆえ、あまり無理はきかない。 「痛むか?」 「────」  皆には回復させろと言っていたくせに、と思ったものの、治してくれと頼むのは嫌でベッドにぐったりと体を預けた。  寝返りを打ったら落ちてしまいそうな幅だが、適度な柔らかさがあり体を休めるには十分だ。 「まあ、この程度なら放っておけば治るだろう。ここでは自分で選択したことは自分で責任をとってもらう」  その言葉に納得する。どうやら友人を助けて負傷した所は治療する気がないらしい。連れてこられる時も思ったが、ルイは仲間を助けることに関してあまり良い感情を持ってないように思えた。

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