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第4話

にっこりお菓子メーカーはクッキーに笑顔を描いた『スマイルくん』をはじめとしたお菓子会社だ。オレはその営業開発部に所属している。 小鳥遊 悠(たかなし ゆう)チームリーダーが前に立ち、ホワイトボードにこれからの予定を書いていく。 「ここに書いたことからも分かるように、秋発売に向けて新開発の企画が進んでいるところだわ。清田クン」 「はい。今回のコンセプトは冬がもっと楽しめるようなお菓子です。秋発売ではありますが、社長は秋冬の両時期に楽しんでいただけるような商品を望んでいます」 七三分けにし、丸眼鏡。絵に描いたような真面目な清田先輩がフリップで紹介していく。 「さすが清田クンね。絵も素敵だわ」 (手描き絵だったのか!?) 「また、秋発売にすることによって他のメーカーが期間限定で出している冬発売のお菓子に差を付けることが出来るし、少しでも長く親しまれることが出来るわ」 なるほど。たしかに冬期間限定だとその時期しか買うことが出来ない。新しい挑戦だと感じた。 「……それで、この企画は社内でも極秘で"四月"から"一生懸命"に"真面目"にやっていたのだけれども……」 同じく髪色と同じ金色の目が俺を射る。 辺りを見回さなくても不思議と皆の視線が自分に集まっているのを感じた。 俺は唾を飲み込み、 「皆さんに追い付けるよう、務めてまいりますので、どうかご指導のほどよろしくお願いします」 その場に立ち上がり、また頭を下げた。

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