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10《一生の後悔》
その日の夜、俺はなかなか寝れなくて、寝返りを繰り返していた…
30年前…まだ中学生だった自分…
ゆたかが亡くなったと知った時…
そんなこと信じたくなくて…必死で否定した…
けど…
病院で変わり果てたアイツの姿を見て…
なんとも言えない悔しい気持ちに心が締めつけられた…
なんで助けてやれなかったのか…
気づけなかったのか…
なんで俺は突き放したりしたんだ…
ゆたかのことを解ってやれなかった…
毎日、毎日…後悔の繰り返し…
謝る為、自殺したゆたかのマンションに毎晩通ったけれど…
その想いが薄れることはなかった…
ゆたかを助けたい、もう見殺しにはしない…
ゆたかが死んだ日に感じた無力感を二度と味わいたくないから…
『…け…す、…けいすけ…』
(声…?誰だ?)
『…啓介…苦しい、助けて…』
(っ…ゆたか!?)
(ゆたか…なのか??)
突然、迫り来る威圧感…圧迫感…
気づけば身体の自由が効かなくなっている…
(っ…か、身体がッ…金縛りッ?)
焦りながらも、身体を動かそうともがくが…
声も出ず、手や足はおろか、指先を動かすことも出来ない…
そうこうしていると…
足元から…黒い塊が腹の上にせり上がってくる…
(ッ…なんだ、ッ…くそ!)
その塊を凝視していると…
中央に…人らしき影が…
(…ゆたか!?…ゆたか!!)
それは在りし日のゆたかの姿だった…
黒い霧の化け物に締めあげられている…
『…たすけて、啓介…』
(ゆたかッ!助けるからッ今度は、必ず!助けてやるから!!ッ…)
数分間か…数十分か…
金縛りは続き…
気づけば俺は、気を失っていた…。
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