10 / 41
第10話
「確かにいじめられてたけど。僕と話してる時はいつも笑ってたのになって…」
いつも笑顔の悟が落ち込んでいる。
「…俺から聞いてみようか」
「!!」
悟が俯いていた顔を上げる。
「いいの?」
「ああ」
カップル誕生の為なら手を貸す俺は腐男子だ。
内心でキメ顔してると頭をパシッと龍二に叩かれた。
何だこの野郎。
「ありがとう、柊!」
友達の笑顔も守ること、それも友人としての役目だ。
すると横から龍二が言ってきた。
「お前、ああいうタイプ苦手じゃなかった?」
「別に?話せるから大丈夫だよ」
龍二の言う通り、俺は親しくもないのにしつこく話しかけてくるやつが苦手だ。
だが、転校生とは何回か会話をしている。
自分から話しかけることは出来ないだろうが、会話するくらいなら出来るだろう。
ともだちにシェアしよう!