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第11話
学校が終わればすぐさま、寄り道もせずに帰る。
「じゃ、また明日」
「えー!また帰るの?」
「今日は特別ダメなんだ。弟と遊ぶ約束しててな」
悟に帰るのを止められる。
「僕らにも構ってよ!」
「悟、友人よりも家族を取るのは当たり前だろ?」
龍二が悟を慰めるように悟の頭を撫でる。
こっちに目をやりながら。
「…分かったよ。休日の予定聞くから夜また連絡する」
悟の目がキラキラと輝く。
確かに友人よりも家族だが、龍二と悟とは小学校3年から一緒だ。
可愛い弟がいなければ優先順位は上だろう。
「グループに寄越せ」
「分かったよ。じゃまた」
確認するように龍二に言われ返事をすれば鼻で笑われた。
本当、何なのこの人。
高校を出て小学校に向かう。
「あ、兄ちゃん!またね」
弟が友達に手を振ってこっちに走ってくる。
「兄ちゃん!!」
飛び込んできた弟をしっかりと受け止める。
「遅くなって悪かった。帰るか」
「うん!」
頷くその笑顔はマジで天使だと思う。
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