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第16話
明日の朝も早いので部屋の電気を消して寝る。
「おやすみ…」
朝、欠伸をしながら将と家を出る。
「兄ちゃん!今度のお休みいっぱい遊べる?」
「あー…すまん。その日は友達と約束が」
そう言うと将から表情が消えて…。
え、怖い。
「は?」
「えっ」
「兄ちゃんは僕のお兄ちゃんでしょ?」
「将、日曜日は遊べるぞ?」
苦し紛れにそう言えば将はまた笑顔に戻る。
ほっ…まさかのヤンデレ化っ!!
「じゃあ、土曜日の夜一緒に寝ようね!」
「おう、行ってらっしゃい」
「行ってきまーす」
校舎に向かっていく弟を手を振って見送る。
ドキッとした、怖かった〜。
自分の学校に行けばやはり、教室には俺1人。
…あいつが来るまで寝てるか。
あいつとは転校生のことである。
悟にああ言ったし、約束破ると悟怖いし。
「おはよう、野山君」
「おう、おはよ。あのさ」
「何?」
「突然で悪いんだけど、悟のこと覚えてたりすんの?」
俺がそう聞くと相手がビクッと反応した。
お、これは…。
「別に嫌なら答えなくていいんだけど」
「…忘れるわけないよ」
あー、やっぱりか。
「悟のこと、好きだったりする?」
そいつはずっと俯いたまま頷く。
「話しかけにくかったら、クラスメイトから始めたら?」
「え…」
「俺にしたようにおはよう、から始めたらいい」
うん、それが1番いいかもしれない。
「またか…」
…拗れそうだなこいつ、と思ったのは誰にも内緒だ。
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