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第21話
そこら辺に積んである漫画やら雑誌やらを適当に読んでいると、お盆にコップ2つジュースとコーヒーを乗せて龍二が部屋に入ってきた。
「遅かったね」
「ああ。親父と母さんに捕まってた」
「…ご苦労さま」
俺は苦笑し言う。
龍二はお盆を折りたたみの机に置くと俺の隣に座った。
「そう言えば、悟に連絡しなくて大丈夫か?」
「…本当にそう言えばだな。メッセでも入れとくか」
龍二は携帯をズボンの後ろポケットから取り出した。
俺は何も気にせず漫画を読み進めた。
「ふぅ、面白かった!」
「そんなにか?」
「うん!てか、前から思ってたけど龍二の部屋にある漫画ってどれも面白いよね」
「まあ、週刊とか月刊読んでから買うからな」
「面白いって思ったのだけ?」
「おう。話が面白ければ絵は関係ないからな」
「へぇー。俺はちょっと違うな」
漫画談義をしていると廊下から騒々しい足音が。
俺は何だろうと思い、横にいる龍二を見ると何故だかため息をついていた。
「どしたの?」
「いや、これ悟の足音だから。毎回うるせぇっ!て言ってんのに」
呆れながら面倒くさそうに立ち上がり部屋から出て行った。
「…面倒くさがりなのに、面倒見がいいとか」
母さんに書いてもらおう、と心の中でメモを残した。
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