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第24話
龍二の家か自分の家に帰ると、玄関で頬を膨らまし、腕を組んで仁王立ちしている将がいた。
「兄ちゃんっっ!!」
「…ごめん、なさい?」
夕飯の時間には間に合わない、遅くなるとは母親と父親に連絡したはずだ。
それが将に伝わっていないはずがない。
俺は靴を脱いで将の頭を撫でる。
「ただいま」
リビングに入ると同時に言う。
「おかえり柊」
「おかえりなさい柊くん」
母親はソファでのんびり、父親はエプロンをつけて食器の片付けをしていた。
将はずっと俺の腕にギュッと抱きついている。
「母さん」
「ん?何」
「何でこの子は怒ってる?」
この子とはもちろん、将のことである。
「私達はちゃんと言ったわよ?柊は遅くなるって。ねぇ、お父さん」
「うん。柊くん、ご飯食べるかい?」
「うん、いただく。…将は食べた?」
「食べたっ!!」
今日はずっと不機嫌さんかな?
将は怒りながらソファにいる母親に駆け寄っていった。
俺は食卓のいつもの席に座る。
「ありがとう、父さん」
用意をしてくれた父親にお礼を言って食べ始める。
父親は俺の向かい側に座ってコーヒーを飲み始める。
「柊くん」
「ん?」
「ご飯食べ終わったらでいいんだけど。将くんとお風呂、入ってね」
「…うん。分かった」
将は今は母親と遊んでいる。
将が怒っている理由はまだ分からない。
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