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第26話

部屋着に着替えると、裾を将に引っ張られた。 「今日、一緒に寝よ?そしたら許すから」 萌え袖を口元に当て、瞳をキラキラとさせ、俺を見上げるように首を傾げる弟。 正直言って萌えでしかありません。 天に召されそうになったが何とか留まる。 「いいよ。俺が将の部屋に行ったらいい?」 そう聞くと将は首を横に振った。 「兄ちゃんの部屋で寝る!」 目だけではなく全身を輝かせ嬉しそうに言うこの可愛い弟は俺を昇天させたいのだろうか。 お前だけだぞ、血を流さずに兄を昇天させることができるのは。 そう言って将はリビングにいる母親と父親に報告しに行った。 俺がリビングに行けば母親がニヤニヤしこちらを見ていた。 俺の心中をお察ししてくださいませお母様。

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