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第27話

「ほら、電気消すぞ〜」 将を壁側に寝かす。 俺と寝ることが決まってからずっと天使のスマイル状態だ。 俺も部屋の電気を消してベッドの中に入る。 「兄ちゃん兄ちゃん」 「ん?」 「ふふ、また一緒に学校行こうね」 「!…あぁ。おやすみ将」 「おやすみ柊兄ちゃん…」 すーすーと寝息が聞こえてくる。 布団をかけ直し自分も眠りについた。 朝、少し暑くて起きる。 将が俺に抱きついていた。 「将、朝だぞ」 体に手をやり優しく揺する。 「ん…もう、あさ?」 「うん。おはよう」 将の目がパチパチと瞬く。 「兄ちゃんっ!おはよう」 「おう。着替えて下行くぞ」 「うん!」 将はベッドから起き上がり自分の部屋へ行った。 俺も制服に着替え始める。 準備が終われば2人でリビングへ。 「おはよう母さん、父さん」 「おはよう柊、将」 「おはよう。朝ご飯できてるから食べてね」 父親は慌てた様子で家を出ていった。 「…寝坊?」 父親が家を出た後に母親に聞く。 「うん、そう。なんか昨日感動したらしく」 何にだろう、知りたいが聞くに聞けない。 父親が用意してくれたご飯を口の中いっぱいに頬張る将。 リスみたい、と思ったのはきっと俺だけじゃないはずだ。 そういう俺もあまりもたもたとしている場合ではない。 よく噛みながらも急ぐ。 「「ごちそうさまでした!!」」 食べ終えた将と自分の食器を流しに置いて家を出る。 「「行ってきまーす」」 「行ってらっしゃーい」 いつも通り、将を学校まで送って自分の通う高校に向かう。 学校に向かう途中で龍二に会う。 龍二はまた眼鏡をかけていた。 「おはよう龍二」 「柊か、はよ」 「また眼鏡。コンタクトやめたの?」 「面倒くさくなった」 「またかよ、お前…」 正直、龍二の眼鏡姿はめちゃくちゃかっこよくて心臓に悪かったりする。 もちろん、女子からも男子からもモテモテだ。

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