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第28話
「てか、悟は?」
今日も別なのだろうか。
「ああ、転校生のヒロ君と通うらしい」
「あー…なるほど?」
寂しかったのか、可愛いところもあるではないか龍二くん。
「家にいても暇だし、この時間だったらお前いるからな」
フッと笑うその姿にドキンとする。
ずるい…このイケメンずるいよ?
確かに俺は腐男子ではあるがリアルには興味がなかったはずだ。
胸の中でモヤモヤを感じる。
恋愛という感情を自分の中で真っ向から否定する。
しかし納得のいく答えも出る訳でもない。
モヤモヤを抱えたまま龍二と一緒に学校へ行った。
今日も1人じゃなくて2人。
転校生ではなく友達の龍二。
正直2人きりになったことはない。
基本悟を合わせて3人でいることが多い。
物凄く気まずい…。
しかも眼鏡とか聞いてない。
それもあってか、今日龍二の顔を真っ直ぐに見ることができないでいる。
きっと不思議がられるだろうけど、でも…でもっ!
「…かっこいいこいつが悪い」
「ん?なんか言ったか?」
「いや、何も」
危ない危ない、心の声が口に出ていたのは予想外だ。
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