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第29話

「僕、勝負をかけようと思う!」 来て早々、悟は俺と龍二の前で宣言した。 「おはよう悟」 「うん、おはよう柊、龍二」 「おう」 まずは挨拶。 では、本題に戻ろう。 「…何だって?」 「だから!ヒロ君に本気だって伝える。…それで断られたら諦める」 この言い分だとずっと断られているんだと分かる。 「本当に?」 真剣な表情で悟は頷く。 龍二は途中で席を立ち、教室から出て行った。 「柊…」 「ん?」 「応援、してくれる?」 不安そうな悟の表情。 転校生にイラつきを覚えた。 「本当にいいの?」 「え?」 「勝負するのはきっと今じゃないと思う。それにそんな表情で告白されても辛いだけだよ、だから―」 「!!」 『押してダメなら引いてみろ』ってね! 正直、ムカついている。 悟は笑顔が似合う男だ。 そんな悟を笑顔にできないやつなんて…。 「友人としては許せねぇなぁ」

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