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第30話

学校in廊下 転校生…ヒロ君の前に現れたのは壁におっかかってスマホをいじっている龍二。 「川崎くん」 「あのさぁ、いい加減にしろよ?」 「は?」 龍二はヒロ君を睨みつける。 「今のお前に悟は勿体ない。お前だけには悟はやらない」 そう言い放ち龍二は立ち去る。 ヒロ君は廊下で佇んでいた。 「あ、龍二。おかえり!」 「おー…」 「お前どこ行ってたんだ?」 「便所」 いつもの様に3人で話す。 すると龍二が悟に言う。 「悟」 「ん?」 「…あいつだけはやめておけ」 悟は驚いているのか悲しんでいるような表情をしている。 「おい、龍二…」 何とかフォローに入ろうとする。 「お前も思ってんだろ。あいつじゃダメだって」 悟が俺の方を見る。 「…悟が辛い思いするのはいや、かな」 苦笑を浮かべる。 バッ、と悟は走って教室を出ていく。 「龍二…」 困った表情で龍二を見る。 「もう後はあいつらの問題だろ。俺達にはどうすることもできねぇよ」 悟のことが心配で授業に集中できなかった。 午前の授業、悟は教室に戻って来なかった。

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