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第36話
本当に好きだったと悟は俺達に話した。
これからどうしようと打ち明ける。
龍二は「昔のような関係にはならないだろうな」と言った。
正直、俺もそう思う。
昔や今みたいに声をかけて仲良くするのは難しいだろう。
ブー、ブー…
「ん?」
3人でゲームをしていたら俺の携帯が鳴った。
「ちょっと電話」
「おー」
龍二の部屋を出て廊下で電話を取る。
「もしもし」
『ごめん、柊』
相手は母親だった。
「どうかした?」
『えっと…あのね?将が…』
電話の後ろで叫び声と慌ててる父親の声が聞こえた。
「将が暴れてる?」
『うん』
「ちょっと将に代わって」
母親にそう言って代わってもらった。
「将?」
『兄ちゃん!!!今どこ!?何で帰ってこないの!?僕のこと嫌いになったの!?』
怒涛なる叫び。
落ち着くよう促す。
「友達の家だよ。別に嫌いになったわけじゃないから安心しろ」
『じゃあ、何で?』
「今は友達の側にいてやりたいんだ。明日の夕方ぐらいには帰るから、それまでいい子で待てるよな?」
か細い頷きが聞こえた。
「うん。じゃ、また明日な。おやすみ」
『おやすみ、なさい…』
電話はまた母親に戻った。
『…あの子の将来が心配よ』
「彼女作ったら睨んできそうなヤンデレ属性だね」
少しふざけた様子で言う。
『まあ、でも助かったわ。それで?何で泊まりなの?詳しくは聞いてなかったから』
「…友達がさ告白したんだ。下手したら関係が終わるかもしれない大きな告白」
そしたら、応援してそばにいなきゃでしょ?
『そうね、その子が泣いているのならそばにいてあげなきゃね』
「でしょ?だから、将にも言ったけど明日の夕方には帰るから」
『分かった、おやすみ』
「うん、おやすみ母さん。父さんにも言っといて」
『分かったわ』
そう言って電話を切る。
俺は小さく息を吐いて龍二の部屋に戻った。
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