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第40話
母親に友人を家に呼んでいいかときいたら、いいわよと返ってきた。
しかも即答であった。
逆に何で今まで誰も連れてこなかったのかと怒られた。
だから俺は素直に言った。
「母さんが昔に言ってたでしょ。一緒にお墓に入りたい人じゃなきゃ連れてきちゃダメって」
それを聞いた母親は声を出して大きく笑った。
「あっはっはっはっはっはっは!」
笑いすぎで涙出てますよ~…。
「あれは彼女のことよ。何人も出入りさせるなってこと。変な噂がご近所さんで出回ったら大変でしょ?」
なるほど、俺ら家族を考えてのことだったのか。
「えー…、じゃあ連れてくればよかった」
少しへこむ。
「なんて言って断ってたの?」
「……ゴミ屋敷じゃないけど汚いから無理って」
「まあ、失礼ね!」
「謝ったよ。心の中で」
「ならいいけど。あ、そういえば」
母親は何かを思い出したかのようにポンッと手を打つ。
「この前、柊が友達の家に泊まりに行ったじゃない?お世話になった手土産、お友達に渡しておいてくれない?」
この前の休みに父親と二人で出かけたときに買ってきたらしい。
「お父さんと相談して買ってきたの。お願いね」
「……分かった、明日渡しとく」
それで、と話を戻される。
「何人連れてくるの?いつ?」
母親はなぜかワクワクし始めた。
「人数は2人。予定はあいつらにも聞いてみなきゃわかんない」
「そう。なら、決まったら連絡してね」
と母さんは画面の暗い携帯をふりふりと振った。
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