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 バァンッ!!  荒々しくリビングのドアを閉めると、秘書の弓削が盛大なため息をついた。  途中、龍嗣の部屋の前を通ったのだが、璃音の甘い喘ぎ声が途切れ途切れに聞こえて来て、瑠維の怒りの炎に油を注いでしまったのだった。  しかも、怒りに任せて龍嗣の部屋のドアを叩きまくったので、弓削に引きずられて来たのだ。 「瑠維様、少しはお静かにして頂きませんと」 「出・来・る・か・!!」  完全にブチ切れた状態の瑠維に、弓削がトドメを刺す。 「あんまり音高く振る舞って旦那様の邪魔をされますと、そのとばっちりは全て璃音様に回されますよ?」 「………っ!!」 「朝までの物事が、昼や夜までに延びたらどうします?  璃音様が壊されますよ?  よろしいので?」  瑠維が、忿懣やる方なくソファーに腰を下ろす。 「大体、璃音はまだ15歳だぞ!?  あんないかがわしい行為、許せる訳ないだろっ!?」 「瑠維様、お静かに。」  旦那様は、璃音様が嫌がる事は決してしません。  璃音様が拒まないという事は、そういう事ですよ」暗がりなのに、弓削の眼鏡が光る。 「まだ中学生の子供相手に、どうかしてる。  15の子供に欲情する40間際のオッサンなんて、洒落にもならないだろっ!? 「璃音様も同意の上での行為ですよ?  最初は、別の人間の代理でしたがね」 「代理…?」 「…………瑠維様。  あなたの代わりに、璃音様は自らを差し出したんですよ」 「……………は?」  瑠維は頭の中が真っ白になった。  自分の代わりに璃音が義父の龍嗣に体を差し出した?  話が見えずにパニックになる。 「ええ…。  あなたがたの父上が遺した莫大な負債の返済と、病人だった兄のあなたを守る為に、璃音様は自分を差し出された。  ……ただ、旦那様は璃音様が自分の好みでは無かったので、一度はその申し出を断ったんです。  なので、お二人はお試し期間を設けた。  旦那様が璃音様に飽きるか、璃音様が最中に"嫌"だと言えば、瑠維様に旦那様が手を出すと。  まあ、結果的には旦那様が璃音様にドップリ夢中になってしまったんですがね」 「何回も言うけど、璃音はまだ中学生だぞ? 父さんの借金だって、何で璃音一人が背負わなきゃならないんだよ!?」  瑠維は、頭の中が沸騰しそうだ。

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