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無理に躯を繋ぐより、こうして唇を存分に味わっていたい…。
そんな風に思う程、心まで蕩けてしまいそうな口づけは、氷室にとっても初めてだ。
クチュ、クチュリ…
互いの舌が絡まる度に淫らな水音がして、自然に摘んでいた胸の蕾を抓り上げてしまう。
「んんっ、んう…っ」
鋭い刺激に負け、璃音の背中が弓なりになり、次いで、力の抜けた体が氷室の胸に倒れ込む。
唇を合わせただけでこれだけ淫らな反応を返してくるなら、体中を愛撫したとしたら、この子供はどんな反応をするのだろう。
背中を駆け上がる衝動に、氷室は璃音の唇を再び奪いながらベッドの上に璃音を横たえた。
一度唇を離し、上気した頬を愛しげに撫でてやる。
「………氷室さん…?」
「龍嗣」
「………?」
「龍嗣と呼びなさい」
「龍嗣…」
「いい子だ」
ご褒美の様に口づけを落とし、甘やかに告げる。
「君が"嫌"と言えば、その場で契約解除。
私を満足させ続ける限り、君は私の愛人だ。
もう後戻りは出来ないよ?
………いいんだね?」
ほぼ一方的な要求に、璃音が首を縦に動かした。
「契約完了だ。覚悟しなさい。」
契約印を押す代わりに、璃音の首筋を吸い上げる。
「ひ…あッ!!」
薄い肌には、紅色の花びらが残された。
何度も首筋や胸に口づけて吸い上げ、チクリとした痛みとともに、淫らな花びらを散らしていく。
唇を噛んで震える璃音が、余りに可愛くて啼かせたくなる。
緩められていたネクタイを抜き取り、ワイシャツのボタンを外しながら、紅く色づいた蕾を啄むと、ベッドから背中が浮いた。
「あッ、んっ、んう―ッ!!」
片方の蕾は舌で転がし、もう片方の蕾は指で押し潰す。
甘やかな愛撫は璃音の中心に熱を燻らせて、背徳の炎と共に璃音の身の内を灼いていく。
この男が愛しい、と。
素直に璃音は思った。
そして。
未だ精通すら迎えていない、幼い自分の体を抱かせてしまう事を、心の底から申し訳なく思う。
借金返済と引き換えの行為は、きっとこの男を怒らせてしまった。
だから、近い内に、自分は打ち棄てられてしまうだろう。ならば。
夜ごとこの身を求められてる間は、精一杯愛しておこう。
贖罪をこめて、この男に、最上の快楽を与えられるように…。
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