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「璃音…?」  氷室は耳を疑った。  喘ぎながらの懇願は、「やめて」ではなく「挿れて」だったから…。  一旦手を止め、上気した顔を覗き込む。 「龍嗣…お願い、僕の中に来て。  龍嗣ので繋がりたい…」  甘い囁きは、氷室の中心に熱を篭らせる。 「指二本でギチギチにきついのにか?  そんな状態で挿れたら、痛いのは君なんだぞ?」 「痛くてもいい…っ。  龍嗣の…っ、挿れて欲しくて、おかしく…なりそう…。  お願い…。もう、挿れて…。  龍嗣ので、僕を貫いて」  情欲に染まった黒い瞳をより一層潤ませ、氷室に口づける。  キスすらも、氷室を悦ばせようと淫らで。 「多分、かなり痛むぞ?  ここが壊れてしまうかも知れない。  それでもいいのか?」  コクリと頷く璃音をベッドに横たえ、璃音の愛液で濡れた服やボトムを脱いだ。  伏せられた瞼にキスを落とし、膝の間に体を割り込ませる。  自分の昂りにジェルを足した手を添えて、ピンク色の秘蕾に押し当て。  ぐぐ…っ。  押し開くように、熱を篭らせ固くなった凶器を突き立て穿つ。 「う、あ、あああ…っ!!」  悲痛な声が、空気を引き裂いた。 「くう…ッ」  璃音の後孔は、予想外にきつかった。  少しずつ進めているのに、中々入らないのだ。 「りょ…う…っ」  浅い呼吸を繰り返し、必死で氷室を受け入れようとする璃音。  愛液や白蜜と違う感触に、すでに中で少し出血しているのが解り、進めようにも進められない。  汗で濡れた前髪を梳いてやり、額に口づける。  痛みで萎縮してしまった璃音の花芯を、優しく揉みしだいて気を反らし、力が少し抜ける度に固く屹立した雄刀を最奥へと進めていく。  文字通り躯を引き裂く痛みに耐え、受け入れようとする璃音の健気さが、氷室は嬉しかった。 「龍嗣、きつくて…ごめんね…。  僕は、大丈夫だから、一気に挿れて…」  掠れた声が、氷室を誘う。  氷室は、開いた両膝の裏側に腕を入れ、躊躇いながらも、深く突き入れた。 「あ……、…う…ッ」  鋭い痛みに肌が粟立ち、背中に回された手が強張る。  長い睫毛が震え、とめどなく涙が流れた。  それでも。璃音の口から「嫌だ」の一言は漏れなかった。  己を深く貫いた男に、痛みを押し殺した微笑みを投げ掛け、囁く。 「龍嗣が、僕の初めての人で良かった」…と。

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