27 / 454
・
初めての体なのに、随分と激しく愛してしまった…。
璃音の後孔は氷室の昂りに突き上げ続けられた事で、擦れて出血していた。
バスルームで小さな体に飛び散った精の残滓を洗い流し、体内に放たれた白蜜も氷室が始末する。
璃音も、ボディーソープを泡立てて、均整の取れた氷室の体を恥ずかしがりながらも洗ってくれた。
新しく張った湯につかり、璃音の体中に散った紅い印に誘われ肩口に口づけると、璃音は氷室の首筋を甘噛みし、ソロリと舐めた。
「………?」
奇妙な既視感が頭を過ぎる。
かなり前に、小さな子供に同じ事をされたような気がした。
「………やっぱり龍嗣だったか…」
もう一度、首筋を甘やかに噛んでソロリと舐める。
「やっぱりって…何だ?璃音」
「龍嗣、僕がまだ赤ちゃんだった頃に抱っこしなかった?
多分、その時に、あんまり美味しそうな香りがしたから、甘噛みして舐めたと思うんだよね…」
クスクス笑ってこめかみにキスをする。
「美味しそうって…どういう事だよ?
それって、何か意味があるのか?」
「………教えない」
悪戯っぽい笑みを見せる璃音。
「龍嗣にだって好みがあるからそこはしょうがないけど、この甘くて美味しい香りは瑠維には解らないんだよね…」
「………?」
ぎゅうっと抱きついて来た体を抱き返し腕の中におさめるが、疑問符が頭の中を駆け巡る。
璃音はというと、つつ…っと氷室の肩に指を這わせ、肌の感触を確かめたり、胸の辺りを舐めたりしている。
「え…獲物とか思ってるんじゃないよな?」
「獲物だよ?
やっぱり、龍嗣の肌、甘くて美味しい…」
即答されて言葉も出ない。
「………」
「………う・そ」
クスクス笑って氷室の耳朶を噛む。
ペロリと舐められて、味見されてる気がしてしょうがない。
何度か会った時に感じた、「猛獣の子供」のイメージが、あながち嘘ではなかったのだと確信する。
「僕が欲しいのは、龍嗣一人だけ…。
それだけの事だよ…」
愛しげに心臓の上に口づけて、璃音がバスルームから出て行った。
一人取り残された氷室は固まった。
何となく思う。
もしかしたら、捕まってしまったのは自分の方かもしれない…、と。
ともだちにシェアしよう!