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 初めての体なのに、随分と激しく愛してしまった…。  璃音の後孔は氷室の昂りに突き上げ続けられた事で、擦れて出血していた。  バスルームで小さな体に飛び散った精の残滓を洗い流し、体内に放たれた白蜜も氷室が始末する。  璃音も、ボディーソープを泡立てて、均整の取れた氷室の体を恥ずかしがりながらも洗ってくれた。  新しく張った湯につかり、璃音の体中に散った紅い印に誘われ肩口に口づけると、璃音は氷室の首筋を甘噛みし、ソロリと舐めた。 「………?」  奇妙な既視感が頭を過ぎる。  かなり前に、小さな子供に同じ事をされたような気がした。 「………やっぱり龍嗣だったか…」  もう一度、首筋を甘やかに噛んでソロリと舐める。 「やっぱりって…何だ?璃音」 「龍嗣、僕がまだ赤ちゃんだった頃に抱っこしなかった?  多分、その時に、あんまり美味しそうな香りがしたから、甘噛みして舐めたと思うんだよね…」  クスクス笑ってこめかみにキスをする。 「美味しそうって…どういう事だよ?  それって、何か意味があるのか?」 「………教えない」  悪戯っぽい笑みを見せる璃音。 「龍嗣にだって好みがあるからそこはしょうがないけど、この甘くて美味しい香りは瑠維には解らないんだよね…」 「………?」  ぎゅうっと抱きついて来た体を抱き返し腕の中におさめるが、疑問符が頭の中を駆け巡る。  璃音はというと、つつ…っと氷室の肩に指を這わせ、肌の感触を確かめたり、胸の辺りを舐めたりしている。 「え…獲物とか思ってるんじゃないよな?」 「獲物だよ?  やっぱり、龍嗣の肌、甘くて美味しい…」  即答されて言葉も出ない。 「………」 「………う・そ」  クスクス笑って氷室の耳朶を噛む。  ペロリと舐められて、味見されてる気がしてしょうがない。  何度か会った時に感じた、「猛獣の子供」のイメージが、あながち嘘ではなかったのだと確信する。 「僕が欲しいのは、龍嗣一人だけ…。  それだけの事だよ…」  愛しげに心臓の上に口づけて、璃音がバスルームから出て行った。  一人取り残された氷室は固まった。  何となく思う。  もしかしたら、捕まってしまったのは自分の方かもしれない…、と。

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