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「地雷撤去実験、開始します。
…マム、頼んだよ?」
フィールドに出た蜘蛛は、あちこちに生えている木に見立てたポールに向かって、銀色の糸を一本飛ばした。
勢い良くポールにワイヤー状の糸を巻き付ける。
その糸を力強く引き寄せながら、空中に舞い上がり同時に四方八方へ糸を飛ばす。
美しく放射状に張られた糸の中心に蜘蛛が陣取ると、放射状の糸が震え横糸が一気に張られた。
すると、蜘蛛の下からピンク色の小さな蜘蛛が沢山出て来て、四方八方に散って行き、地面に降りる。
子蜘蛛は、音も無く地中に潜ってしまった。
1分…
2分…
…4分。
緑の蜘蛛が光る。
「リオン、全部ノ地雷、きゃっち完了シタヨ」
「了解。
マム、"スリープ"で撤去をお願い」
「イイヨ」
返答の後、蜘蛛の目が輝いた。
「すりーぷ撤去、開始」
1分後、蜘蛛が緑から銀色に変わり、地面のあちこちが盛り上がり始める。
ポコポコ
ポコポコ
ポコポコ…。
フィールドのあちこちに、地雷が持ち上がって来た。
沢山の地雷は、スイッチ部分が銀色のベルトでホールドされており、地雷としての役割を為さなくなっている。
子蜘蛛達は、コントロールルームから一番遠い場所に地雷を積み上げて、わらわらと母蜘蛛の元に戻ってきた。
「リオン、地雷50個すりーぷ撤去完了シタヨ」
「ありがとう、マム。
戻ってきてくれる?」
「ウン」
ピンク色の子蜘蛛を収納し、緑色に戻った蜘蛛がコントロールルームに帰ってきた。
「タダイマ、リオン」
「おかえり、マム」
蜘蛛を抱き上げ、璃音は念のために爆破スイッチを押す。
シェルター内に静寂が横たわり、爆発は起きなかった…。
「…地雷、全て撤去出来ました」
璃音が、ゆっくり振り返る。
「璃音様、スリープ撤去とは何ですか?」
「子蜘蛛が、スイッチが入らないように糸を巻き付けて固め、地雷そのものを眠らせます。
あとは、イート撤去もありますけど…」
「イート…?」
「文字通り、子蜘蛛が地雷そのものを食べます。
地雷を食べた子蜘蛛は、成長して親蜘蛛になり、新たなマムになります。
大元のマムは、自分で子蜘蛛を増やせますから、よほどの事がない限り、子蜘蛛の追加は必要ありません」
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