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蕩けた体にいきなりシャワーの熱い湯がかかり、璃音はびくりと体を震わせた。
氷室の顔を見ようとすると、噛み付くように唇を塞がれる。
「龍嗣…、どうし…たの?」
濡れた服の釦を外そうとしているのだが、縺れて上手くいかず、氷室は璃音のワイシャツを無理矢理引き開けた。
弾け飛んだ釦が、浴槽や床に飛び散る。
ゴシゴシと氷室が首筋をきつく擦るので、多分、弓削が塗ってくれたファンデーションの事だと気づいた璃音が、棚に置かれたボトルに手を伸ばす。
万力のように締め付ける氷室の腕の中で、ようやく掴んだボトルを差し出した。
「ごめんなさい、龍嗣…。
お願い、洗って貰っていい…?」
甘い香りのボディーソープを手に取って、泡立てるのもそこそこに、氷室は璃音の首筋を乱暴に擦った。
沢山の泡が立ち、シャワーで洗い流された後…。
ほっそりとした首や胸元には、濃淡様々なキスマークが現れ、璃音の体に花びらが散らされたようになった。
自分がつけた印を確認して気が済んだ氷室は、璃音をきつく抱きしめ、深く口づける。何度も噛み付くように口づけ、段々落ち着いてくると、お互いの惨状に気が付き氷室が硬直する。
「………しまった…。キレたのか…」
頭から足の先までびしょ濡れで、あちこち泡まみれになった璃音を離しガックリとうなだれる。
「ごめんなさい…。
僕が気付くの遅くて、龍嗣を怒らせちゃったね…」
うなだれた氷室の前髪をかきあげ、びしょ濡れの額に自分の額を当てる。
「いや、その…、私も大人げが無いから…。
しかも、我慢が利かないというか…。
済まない」
すっかりしょげ返ってしまった氷室の頬を、両手で挟んだ璃音は、そうっと捧げるように軽く唇を重ねた。
「龍嗣は悪くないでしょ…?
僕が鈍臭いから龍嗣が怒るんだと思うし。
こういうの初めてだから、大人の龍嗣を困らせてばっかりでごめんね…」
贖罪を篭めて、何度も何度も優しく口づける璃音が、どうしようもないくらい愛しいと思う。
「やっぱり、僕みたいな子供は面倒かな…?
龍嗣にとっては迷惑かもしれないけど、でも、僕は龍嗣が大好きだよ…。
初めて体を繋いだ相手が、龍嗣でホントに良かったって思ってるし」
蕩けそうに甘い顔で、璃音が耳元で囁いた。
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