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「偉そうに言ったって、そいつを抱きたいのは変わらないんだぜ?
寄越せよ。
ずっぷり繋がって、あんな奴より気持ち良くしてやる」
「………っ」
璃音は、耳を塞いでしまいたかった。
書斎での恥ずかしい姿を、小鳥遊にしゃぶられて喘いだ姿を、弓削は静かに悲しそうに見ていたから…。
龍嗣の印を体中につけられ、逆らえないまま何度も達った自分の醜さを、弓削に知られるのは嫌だった。
「…璃音様?」
声も立てずに泣く璃音を見て、弓削は抱き上げたまま小鳥遊の髪をギリギリと掴んだ。
「璃音をおとしめるのは、止めて頂きましょう。」
尚もギリギリと力を入れ、掴んだ髪の毛を全て引き抜く位に引っ張り、絶対零度の冷ややかな視線が小鳥遊を射抜く。
「求愛の順番は、璃音が先だ。
エロ魔神との事をとやかく言える立場ではない。
貴様が言うまでもなく、璃音の脳髄が灼き切れるくらいに深く繋がって啼かせてやりたいと思う。
だがな、俺は貴様のように狂ったようにただただ捩込む、ケダモノじみた強姦じゃなく、魂の底から懇願されて抱きたいだけだ。
最終的に俺が番いの相手になるなら、途中経過はどうでもいい。
貴様は璃音を口汚く罵るが、あの男に抱かれて良心の呵責に苛まれて啼く可愛さを見てきた俺には、璃音に対して愛しいという思いしかない。
普段は色気の欠片もないほどストイックなのに、あの男の指が触れただけで花開く、艶かしい程の美しさも、禁断症状で苦しむ俺を包み込むように抱きしめてくれた、そんな無垢な優しさも、全部引っくるめて俺は愛している。
それを貴様に理解して貰おうなどとは塵とも思わん」
いつもと違う口調に、抱き上げられたままの璃音は驚いた。
何より、龍嗣に啼かされている自分を深く愛してくれる弓削の想いを聞かされ、胸が締め付けられる。
「璃音?」
「は、はいっ!!」
小鳥遊に向けられた冷ややかな目ではなく、極上の優しさを篭めた眼差しで見詰められ、璃音は心臓が跳ね上がった。
「君が良心の呵責を感じる必要は何一つない。
旦那様に毎晩抱かれて啼かされたとしても、穢れたなどと私は思わない。
身も心も全て、愛している。
だから、自分を卑下するのは止めなさい」
「………っ。」
穏やかなのに、心臓を射抜く様な殺し文句を璃音に投げ掛け、弓削は璃音の唇を塞いだ。
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