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 大学の研究棟の七階…。  何度か足を踏み入れた事のある璃音の部屋の前に着くと、猫が待ち構えていた。 「良かった。来てくれたのがアナタで。  あのエロ魔神だったらどうしようって焦ってたのよ」 「車に置いてきました。  まずは璃音を宥めないといけないでしょう?」  猫と共に中に入ると、猫科の獣二頭が立ち塞がる。 「「グルルルル…」」 「誰彼構わず威嚇すんじゃないワよっ!!  味方だから、警戒を解きなさい!!」  猫に叱られ、おとなしくなった二頭。  黒豹と白いトラが道を譲ると、奥の椅子にもたれる様に座った璃音が見えた。 「り…、璃音様?」  茹で蛸のように赤い顔で、くったりとなっている。 「弓削さ…ん?  どうしよう…、僕、暑くて動けなくて…。」  浅い呼吸で半ば喘いでいる璃音から甘い肌の香りが立ち上り、傍に寄った弓削の鼓動が早くなった。 『こ………、ここまで駄々漏れとは…っ!!』  目の前がクラリと揺れ、視界が少し暗くなる。  構わず璃音を抱き起こすと、半分に割った睡眠導入剤とミネラルウォーターを、口移しで飲ませた。 「ん…っ、なぁ…に…?」 「ただの眠くなる薬です。  目覚める頃には熱も少し下がるでしょうから、ご安心を…」  弓削は自分のコートで璃音をくるみ、睡眠導入剤が効いてくるのをひたすら待つ。  その間にも立ち上る甘い香りが弓削を煽る。 「ん………っ」  暫くして瞼がトロトロと落ちだし、規則的な呼吸に変わった。 「……落ちましたね」 「…そうね。じゃ、連れて行きましょ?  ノワール、ブランカ、後はお願いね?」 「「グルルルル…」」  猫の言うことに返事をし、二頭は床のスイッチを踏む。  弓削と猫が廊下に出ると、部屋の入り口に鉄格子が落ち、ドアも自動的に閉まって施錠され、璃音の部屋の機密は確保されたようなので、弓削は璃音を担いだまま駆け出した。  車の中で待っていた龍嗣は、いきなり開いたドアに驚いた。 「旦那様、お早く!!」  弓削が担いでいた包みを龍嗣に押し付け、急いでドアを閉めた。  運転席に座り、キーを入れながら運転席とリアシートの間にシールドを出す。 「申し訳ありません、こうしないと事故になりかねませんので」  弓削は、荒々しく車をスタートさせた。

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