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湖の傍の別邸に近くなる頃には、璃音に飲ませた睡眠薬が切れてしまった。
密閉されたリアシートでは、龍嗣の脚の両脇に膝をついて胸元をはだけられた璃音が、露わになった粒を指の腹と唇で愛撫されている。
「あっ、やんっ、あ…っ、あんっ」
上半身をのけ反らせ、胸の蕾を龍嗣に押し付けるようにして、両手は龍嗣の頭を抱いていた。
髪をぐしゃぐしゃに掻き乱し唇をわななかせて感じる様に、助手席から盗み見ていた猫が言葉を失う。
『あまり見ない方が宜しいですよ。
いつもは、こんな乱れっぷりはなさいませんからね』
『…こんなエロっぷり全開の璃音、初めて見たワよ…。
いくら禁断症状だからって、あんなに…』
車内を二つに分けるシールド越しに聞こえてしまわないよう、弓削と猫は声をひそめていた。
『多分、玲にがっつかれたのが原因だと思います。
完全に喰われる寸前まで行ったので』
『ま、璃音にはいい勉強だったかもね。
求愛相手が、全員アナタみたいな自制の利く人間ばかりじゃないって分かっただろうから』
『いや…、あれは不可抗力の事故みたいなものでしたから、璃音様に責任はないような…』
さりげなく減速し、私有地へのカーブを曲がる。
『甘いわね。
求愛相手に請われたからって、軽々に許しちゃうのは馬鹿の極みよ?
交尾する相手がいて焦燥してるのに、自制が利く訳ないじゃないの。
特に、あのケダモノはね』
強烈なダメ出しを繰り出す猫に、弓削は絶句してしまった。
一方、リアシートでは、週明けの登校を考え、なるべく跡をつけないように龍嗣が璃音の胸に吸いついていた。
その分、龍嗣を誘うように尖った蕾をコリコリと歯を当てたり、きつく吸う。
「ひ………あ…ああああっ!!」
もっと触れて欲しい場所があるのを知っていて、敢えて無視をする。
さすがに、ボトムの中に手を差し入れたり体を繋げるのは憚られたからだ。
「ああ…っ、あっ、あっ、あっ、あ……っ!!」
声を上擦らせ、上体が反る。
体を繋げる代わりに、いつもより濃密な愛撫を施す龍嗣を、璃音は包み込むように抱きしめ、龍嗣は璃音に応えるように、更に胸の粒をきつく吸う。
「は……う…」
全身が強張り、意識が飛んで膝の上から璃音が落ちかけ、龍嗣は腰を捕まえて、自分に凭れかけさせた。
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