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「う…、…んん…っ」  腰から駆け上がる甘い疼きに、璃音はぶるりと躯を震わせた。  何度も達した後の体だから、燻った熱に簡単に火がついてしまう。 「璃音が気持ちいい時は、私も気持ちいいんだからな…?」  チュ…。  唇を軽く啄む。 「璃音だけが一方的に気持ちいい訳じゃないし、君が思っているより私は満足しているんだぞ…?」  チュク…ッ。  今度は深く結び合わせた。  甘やかに。  愛しげに。 「だから、必要以上に私を優先しなくていい…」 「それ…、無理…」 「………はい?」  きっぱり断言する璃音に、龍嗣が目を見開く。 「だって、僕、同い年の人よりずっと子供だから、龍嗣に我慢して貰っている部分が沢山あるんだよ?  何処かに出掛けたり、泊まったりするのだって、凄く気を遣わせてるし。  体を繋ぐ時だって、龍嗣、いつも手加減してるし、えっちい事するの自体、我慢して途中でやめたりするし…。  普段、龍嗣が我慢を沢山してる分、こうやってベタベタしてる時は、龍嗣の事甘やかしたいもん。  龍嗣には、もっと気持ち良くなって、僕みたいに頭の中まで蕩けて欲しいよ…」 「私を…、甘やかしたいのか…?」 「うん。  ベッタベタに甘やかしたい…」 「………」  璃音を抱えたまま、龍嗣はガックリと脱力した。 「"甘えたい"じゃなくて、"甘やかしたい"と言われるとは思わなかったな…」 「だって、甘やかしたいんだもん…」 「ベッタベタに?」 「うん」  真顔でキッパリと言われ、流石に龍嗣も苦笑いするしかない。  20歳も年下の子供に「甘やかしたい」と言われたら、大人としてどうよという話しだ。  自分の規格の中に当て嵌まらない璃音の考えは、本当に大丈夫なのかと不安にもなる、のだが…。 「ま…、いいか…」  それは、これからきっちりと璃音の両親の代わりに、自分が追い追いと教えてやればいい。 「それじゃあ、今夜はたっぷり甘えさせて貰おうかな…」  形は違えど、教える事には違いない。  ただ、璃音を蕩けさせながら、頭の中に刷り込んでやればいいのだから。  龍嗣は璃音を抱き上げ、ベッドへと向かった。  龍嗣の中の欲望と、恋人の扱い方を、璃音に植え付けてやる為に…。

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