117 / 454
・
「う…、…んん…っ」
腰から駆け上がる甘い疼きに、璃音はぶるりと躯を震わせた。
何度も達した後の体だから、燻った熱に簡単に火がついてしまう。
「璃音が気持ちいい時は、私も気持ちいいんだからな…?」
チュ…。
唇を軽く啄む。
「璃音だけが一方的に気持ちいい訳じゃないし、君が思っているより私は満足しているんだぞ…?」
チュク…ッ。
今度は深く結び合わせた。
甘やかに。
愛しげに。
「だから、必要以上に私を優先しなくていい…」
「それ…、無理…」
「………はい?」
きっぱり断言する璃音に、龍嗣が目を見開く。
「だって、僕、同い年の人よりずっと子供だから、龍嗣に我慢して貰っている部分が沢山あるんだよ?
何処かに出掛けたり、泊まったりするのだって、凄く気を遣わせてるし。
体を繋ぐ時だって、龍嗣、いつも手加減してるし、えっちい事するの自体、我慢して途中でやめたりするし…。
普段、龍嗣が我慢を沢山してる分、こうやってベタベタしてる時は、龍嗣の事甘やかしたいもん。
龍嗣には、もっと気持ち良くなって、僕みたいに頭の中まで蕩けて欲しいよ…」
「私を…、甘やかしたいのか…?」
「うん。
ベッタベタに甘やかしたい…」
「………」
璃音を抱えたまま、龍嗣はガックリと脱力した。
「"甘えたい"じゃなくて、"甘やかしたい"と言われるとは思わなかったな…」
「だって、甘やかしたいんだもん…」
「ベッタベタに?」
「うん」
真顔でキッパリと言われ、流石に龍嗣も苦笑いするしかない。
20歳も年下の子供に「甘やかしたい」と言われたら、大人としてどうよという話しだ。
自分の規格の中に当て嵌まらない璃音の考えは、本当に大丈夫なのかと不安にもなる、のだが…。
「ま…、いいか…」
それは、これからきっちりと璃音の両親の代わりに、自分が追い追いと教えてやればいい。
「それじゃあ、今夜はたっぷり甘えさせて貰おうかな…」
形は違えど、教える事には違いない。
ただ、璃音を蕩けさせながら、頭の中に刷り込んでやればいいのだから。
龍嗣は璃音を抱き上げ、ベッドへと向かった。
龍嗣の中の欲望と、恋人の扱い方を、璃音に植え付けてやる為に…。
ともだちにシェアしよう!