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「いや…その…、元々は俺が八つ当たりしたから璃音が熱出す羽目になったんだし、礼なんか…言われるような…そんなんじゃ…」
モゴモゴと、一人ごちる瑠維に弓削も目を細めた。
「そうですねぇ…、確かにきっかけは旦那様ですが、茶々を入れてしまいましたからね…。
ま、成長が遅れ気味の純真無垢な弟の、濃厚過ぎる現場を目の当たりにしたんですから、しょうがないとも言えますけど…」
ぶふゥ!!
あまりにあからさまな断言っぷりに、瑠維が茶を噴いた。
「だから…、あんまりハッキリ言うな!!
未だにショックが抜けてないんだからさ」
「私としては、役得でしたけれどね…。
普段、子供子供してらっしゃる璃音様が艶っぽく啼いたり、旦那様の攻めに一生懸命耐えている時の色香など、中々お目にかかれない貴重な光景でしたから…」
ニコニコ話す弓削に呆れた視線を向け、瑠維は頬杖をつく。
「あいつは未だ15だぞ?
しかも、標準よりずっと小さい子供なのに、40近いオッサンがあんな…」
「ベタベタしたり、体を繋いだりするのはおかしいですか?」
「おかしいって言うより、どうかしてる。
確かに、その…、妊娠したり…しないけど、どう見ても……璃音の中に…出してんだし…」
表現の仕様が無くて瑠維は途切れ途切れに話す。
「愛人契約から恋人になった後、流石に旦那様も最後まではしなかったんですよ…。
半年……程は体を繋いではいなかった筈。
昨年の11月から始まって、5月の連休中にこの別邸にいらっしゃるまでは、体を繋がず、お互いを愛撫するだけだったんです。
お互い、焦れ焦れ状態だった様ですけど…」
「それがなんで…?」
「3月に発売を開始したハイブリッド車が予想外に売れたのと、地雷機雷撤去メカが防衛省に採用されて、こちらも大当りしまして…。
5月の連休前に負債分が帳消しどころか、それ以上の黒字になったんです」
「………」
「借金のカタに体を繋ぐ必要も無くなった。
だから、恋人として愛して欲しいと、改めて璃音様が申し出て…、その夜に旦那様に美味しく食べられたんです」
「……食…わ…れた…?」
「お互いが欲しくて、かなり焦れ焦れしてたのもあって、璃音様の可愛らしい啼き声が、廊下に駄々漏れになる程でしたね…」
弓削がうっそりと笑った。
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