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倒れて寝込む前までは、毎朝起きてから夜眠るまで、飽きる事なく口づけていた。
昨夜も、深く龍嗣に貫かれながら何度も何度も唇を重ね合った。
なのに、まだ足りない様な気がして璃音は龍嗣の頭に両の手を伸ばし、口づけながら髪を指で梳く。
梳くと言うより、指を這わせた。
「は………、ん……っ」
璃音の指の腹が龍嗣の後頭部を掠めると、龍嗣の体がピクンと跳ねて、甘い声が漏れる。
深いキスをしている時に此処を触ると、龍嗣が悦んでくれるのを、璃音は最近知った。
璃音と繋がっている時だと更に気持ちがいいらしく、頭の皮膚から背筋へと肌の粟立ちが走っていく。
大きな肩甲骨は、璃音を深く突き上げている時に触れると、龍嗣の全身に鳥肌が立つ。
最初、璃音は何ひとつ知らなかった。
自分の指が掠めると、きっと擽ったくて鳥肌が立っているのだと思っていたから…。
お互いに息が整った後、龍嗣が「物凄く善かった」と教えてくれたから知った位で…。
自分と繋がる以外で、龍嗣が気持ちがいいと悦んでくれていると知り、璃音は酷く安心したのだ。
そして。
決して自分だけがずっと気持ちいいのではないと昨夜知って、龍嗣に対して抱いていた良心の呵責めいた気持ちも、少し薄れた。
「最愛の人」という意味を内包する指輪を贈られ、無償の愛を満たされ、璃音の中に渦巻いていた不安が霧散していくような、そんな気がして…。
「愛してるぞ…。
ここまで深く愛したのは君だけだ。
こんなに夢中にさせた責任取れよ…?
しっかり成長して、もっと私を悦ばせてくれ…。
早々に死ぬなんて、絶対許さないからな?
いっぱい生きろ。
殉教じみた生き方をしないで、いっぱい生きて、私を貪れ」
きつく抱きしめながら、自分がしたように首筋を甘く噛み、そろりと舐められた。
掛け値無しの深い愛を告げられた上に、求愛の甘噛みまでされて、璃音は脳が灼けるかと思った程で…。
思い出しただけでも、体が震える。
龍嗣への想いが溢れて堪らなくなる。
愛おしくて、壊れてしまいそうになる。
それを龍嗣に伝えたら、どんな顔をするんだろうか…。
深く口づけを交わしながら、璃音は想いの丈を籠めて、龍嗣の頭や背中を摩り続けた。
少しでも龍嗣に悦んで貰えるように…。
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