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璃音の体に合わせて裁断し直した生地を、依留とまりあが待ち針で留めていく。
ついでに、フリルやレースも仮留めをした。
「じゃ、縫いますか。」
2台それぞれのミシンに依留とまりあが向かい、職人もかくやと思われるスピードで縫っていく。
まりあはブラウスを、依留はスカートを縫っているのだが、複雑なカーブや繊細なレースの部分までも、よどみなく縫っている。
「すごい…」
スカートには、幾重にも白いペチコートが取り付けられていて、多少屈んでも中が見えないように配慮されていた。
メイド服が出来上がると、今度はエプロンとハイソックスに取り掛かる。
エプロンは短くなり、野暮ったいフリルが外されて、璃音とのバランスを取ったレースなどが縫い付けられた。
ハイソックスに至っては、ギャザーを寄せながら作ったガーターが取り付けられる。
「ど…どれだけ凝るの…?」
「二人とも、同じコスプレすんなら、可愛くなってほしいらしいな。
さ、璃音はここに座ってくれ」
総一が璃音を座らせる。
「とりあえず、今日のは仮のエクステだから、安心しろよ?」
素早く璃音の髪に、同じ黒髪のエクステンションをなじませていく。
「ストレートもいいけど、ツインテールにすりゃいいかな?」
器用にも、髪を両サイドに分けてツインテールを作り、結った髪は腰までの所で軽く揃える。
「サラサラもいいけど、ゆるふわのツインテールならどう?」
猫が、テーブルの上で直立し、腕組みをしながらアドバイスをした。
「あ、いいかも」
大小のカーラーを使い分け、左右対称の緩いカールをつける総一。
だんだん女の子らしくなる璃音に、龍嗣が複雑な顔つきになっていく。
「恐ろしいまでに似合ってる所が凄いな…」
「だからイヤなんだってば…」
ツインテールの璃音が、眉間にシワを寄せる。
「中等部で、毎年女装させられてるから、コイツ…」
瑠維も複雑な顔だ。
「ほい、こっちも出来たぜ?」
ナチュラルメイクに、決して下品に見えないゆるふわカールの璃音が、依留とまりあに引き渡される。
「あら、かわいいじゃな~い。
じゃ、諦めてこっちを着てね?」
メイド服一式を手渡された璃音は、重い足取りでゲストルームに歩いて行った。
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