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「璃音に似合うなら、国宝級の物でも用意する。  辻が花なんてどうだい?」 「万一汚したら怖いから、絶対やめて。  それぞれ一日しか着ないんだし、古着で構わないんだよ?」  璃音が眉間にシワを寄せる。  ゴスロリ風メイドの格好なので、どうにも可愛くて仕方ない。 「ね、もう着替えていいかな?  足元がスカスカして居心地悪いから…」  スカートの裾を掴み、落ち着かない様子の璃音をソファに座らせ、龍嗣は羽織っていた薄手のニットを膝にかけた。 「ありがと…」 「これでも充分可愛いが、ツインテールに黒のレースでリボンをつければ、もっと可愛いんじゃないか…?  あとは…ガーター自体にもリボンを通すとか、袖口にももう少しレースを入れたらどうだろうか…」  龍嗣の一言に、総一と依留が激しく反応する。 「社長っ、そのアイディア頂きますっ!!」  総一と依留がバスケットの中から黒レースを出し、ツインテールやガーターにリボンをつけ、袖口のレースのボリュームを増やしてみる。 「う~ん…、でも、まだ何かが足りないですわね…」 依留が考え込む。 「レースの量じゃないのかしら…?  胸元や、釦の左右にレースを配置すると…」  猫が、龍嗣と一緒に、余ったレースを配置していく。 「まあっ!!さっきよりもしっくりしてますわっ。  ごめんなさい、少しの間、こっちを羽織っていてくださいね?」  ブラウスとスカートを剥ぎ取られ、牡丹の花が描かれた和服を肩にかけられる。  へこ帯で簡単に帯をして、依留はミシンに直行した。 「ん…?」  龍嗣が和服を羽織った璃音をまじまじと見る。 「牡丹の柄、合ってるんじゃないか?」 「「………っ!!」」  全員の視線を受け、璃音が後じさりする。 「確かに…。  大輪の柄は合いませんが、こちらなら…。  総一、帯に花結びを入れて締めてみてください」  バスケットから帯と紐を取り出し、弓削が総一に手渡す。 「了解~。  梅結びのダブルでいいよな?」  改めて璃音に襦袢を着せてから和服を着付ける。 「…く、苦しい…っ!!」  ぎゅうぎゅうと帯を締められ、はくはくと息をつく璃音。  総一は背面で流し気味に帯を結び、帯締め代わりに組み紐で花結びを入れた。  中々に可愛らしい仕上がりとなり、瑠維は複雑な気分になった。

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