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 二週間程前…。 「ある程度落ち着くまで関節が痛むけど、大丈夫だって白川先生に言われたから、気にしないでね」  そう言って仕事に差し障らない様に自分の部屋で寝ようとした璃音の手を、ガッチリと掴んだのは龍嗣だった。 「別の部屋で唸っている君を想像して焦れるより、隣で寝てる君を宥めている方がいい。  多少の寝不足位で私がどうこうなる訳がないだろ?」  じたばた暴れる璃音を問答無用で自分のベッドに連行した。  理由なんてどうでもいい。  体を繋ぐのを禁じられたから、せめて璃音の肌に触れたかっただけだ。  最初の内はあれこれ理由を付けて逃げ回ったのだが、毎回龍嗣に捕まりお仕置きのように愛撫されるので、最終的には璃音が根負けした。  毎晩、痛む場所を摩ったり口づけたりしている内に、くったりとなって寝入る璃音をギュッと抱きしめて眠る。  璃音も龍嗣の肌と体温に包まれていると、いつの間にか痛みを忘れて眠れるから、何となくなし崩し的にそうなった。  弓削には「絶対一線を越えちゃダメですよ!?」と毎晩念押しされる始末で、自分がどれだけ信用が無いのかと、眉間に皺を寄せたのだが…。  気持ちを満たす位には、軽いスキンシップも出来、お互い安眠も出来る。 「なるべく長く眠れるように!!」という厳命もあったから、結果オーライと言えなくもないが、実際、璃音の止まっていた成長が進んでいるのは間違いない。  まだ、全身に甘い痺れが広がって、ふるふるしている璃音の唇を啄み、フワリと腕の中に抱き込む龍嗣。 「ごめんね、ありがとう…」  唇を啄まれているうちに、璃音はうとうとし始めた。  寝付きが悪くなったと言っても、夜の10時過ぎには寝入っているのだから、龍嗣にとっては負担でも何でもない。 「私が君に触れたくてそうしているんだから、気にしなくていい。  それより、あんまり急いで成長するなよ?  毎晩君に触れる理由が無くなったら、それこそ私が困るんだからな」  クスクス笑いながら唇を軽く啄むと、璃音が背中に腕を回す。 「繋がない分、いっぱい触るの…?」 「そりゃ、そうだろ?」 「エロ魔神って…言わ…れる…よ…?」  トロトロと眠りに落ちる顔は、あどけなくて可愛いと思う。  色々と理由をつけて、腕の中に囲い込める今が、(焦れ焦れしていたとしても)とても嬉しかった。

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