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「え………?」  思いがけない言葉に、璃音は思考が停止した。  今、龍嗣は何て言った? 『…かなり嬉しかったぞ』と言わなかったか…?  それは、どう受け取ればいい? 「…怒って…ない…?ホントに!?」 「怒る?驚いたけど怒ってないぞ」  意外な言葉に璃音はますます混乱する。 「まさか、白川先生から許可を貰った事を、本当に実行するとは思わなかったんだ。  無理に咥えたりしてるのなら、それは璃音には良くないなと…」  苦笑いする龍嗣の言葉に璃音がほうっと息をつく。 「無理なんかしてないよ。  僕、今まで何回かしたけど、龍嗣の…龍嗣の舐めたりとか嫌じゃない。  他の誰かだったら絶対嫌だけど、龍嗣のは違うもん。  一番大事だから、いっぱい気持ち良くなってほしいし、悦んでもらいたい。それだけだよ…」  真剣に見つめる目は、どこまでも深い。  そして、常に龍嗣しか見ていない。 「君の気持ちは分かった。  ただ、いつもは見せない一面を目の当たりにして、ホントに驚いたんだ。  殆ど受け身だったし、積極的にするなんて珍しいから、かなり…ね。  だけど、やっぱり君に責められるよりは、君を甘く鳴かせたい。  体を繋がなくったって、腕の中で君が啼いてくれるなら、それだけでかなり満足できるぞ?」 「龍嗣…」 「毎晩、君が痛がる所を撫でたり摩ったりしてるのだって、それなりに嬉しかったりするしな…。  …という訳で、今度は私が君を可愛がる番だぞ?」 「え?」  状況が読めていない璃音を肩に担ぎ、龍嗣は上機嫌でベッドルームに向かう。 「りょ…、龍嗣?」 「明日から学園祭だから、辛くない程度に可愛がる事にしようか?  一応、鳴かせていいかどうか白川先生に確認も取ったぞ?  繋がないならいいそうだ」 「いつの間にそんな…っ」 「璃音が待合室で弓削に窘められてる間にコッソリとな。 『旦那様を甘やかしちゃいけません!!』と、叱られてたろ?  あの時に。  ああ、白川先生が、『約束したよりも背が伸びたご褒美』だとか言ってたな」 「………ご褒美…って、それ、どっちに?」 「どうだろうな…」  クスクス笑いながら、肩に担いだ璃音の顔を覗き見る。  龍嗣の艶めいた悪戯っぽい笑みに、璃音は鼓動が激しくなるのをどうにもできなくなっていった。

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