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鼻歌まで出そうな程に龍嗣は上機嫌だった。
こんなふうに上機嫌で、微笑みの下に艶めいた物を忍ばせた龍嗣は久しぶりで…。
璃音は何と無く危機を感じ取る。
『しまった…。
こういう時の龍嗣、僕を際限無く鳴かせるんだったよね…。
忘れてた…』
悦ばせたまではよかったが、龍嗣のエロ魔神スイッチどころか、特大の地雷を踏み抜いてしまったと気が付いた時には遅かった。
お互い焦れ焦れしていたから、璃音自身も微妙に判断力が落ちていたせいもあるのだが…、てっきり龍嗣を悦ばせた後に「おやすみなさい」で終わると思っていたのだ。
そんな自分本意な恋人では無かったと、今更ながら気が付いた…。
まさしく「後悔先に立たず」だ…。
『僕、久しぶりに地雷踏んじゃった…?』
内心、冷や汗をかきながら、覗き込んだ龍嗣の顔は、この上もなく上機嫌だ。
「…ん?」
「なんでもない…」
ベッドの上に降ろされ、そのまま龍嗣に組み敷かれる。
『自業自得…かな…?
でも、龍嗣に鳴かされるの…待ってたのかもしれないな…』
苦笑いして、軽い口づけを受け入れる。
何度か軽く啄み合う内に次第に深いものになっていく。
『エロ魔神だけど、大好きだもんね…。
最愛の番いの相手には逆らえないし…。
ま、いっか…』
自分の舌に龍嗣の熱く甘い舌が更に絡まり、吐息も唾液も全てが混ざり合い、龍嗣が注いでくれる愛の深さを思い知る。
脳髄を焼き切るような淫らな口づけに、切ない愛情を篭めた口づけで返す。
「龍嗣の…キス…いっぱい欲しい…」
「ん…っ、もっと…か…?」
「うん……、…飽きる位、しよ…?
龍嗣のキス…頭の中、溶けちゃう位…気持ち…いいもん…」
甘やかな口づけの合間に漏れた言葉は、さらに甘い言葉になる。
蕩けるような口づけに、龍嗣の背中へ腕を回すと、角度を変えて更に深く啄まれた。
「ん…っ、んん…っ、もっと…」
掠れた声の懇願には、意識を侵食してしまう程の口づけが返される。
こうなると、もう璃音は逆らえない。
強弱をつけて啄まれ、舌を龍嗣の熱い舌に搦め捕られて、体の芯に甘い痺れが走っていく。
ワイシャツの釦を少しずつ外されているのも、ベルトが引き抜かれてジーンズの釦が外され、ジッパーが下げられたのも気づかないほどに…。
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