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 軽く啄んで龍嗣の唇は離れていった。  璃音がギシギシと軋む腕をゆっくり龍嗣の背中に回すと、龍嗣の腕も璃音を包み込む。 「ごめんね、龍嗣…」 「何故謝る…?」 「だって、龍嗣に迷惑ばっかりかけてるし…」 「迷惑だと思ってないぞ…?  こうやって痛がる部分を、おおっぴらに触ったり撫でたり出来るんだから、一種のスキンシップだと思えばいいじゃないか」  痛みに震える体を宥めるように、ゆっくり背中を撫でながら、龍嗣はクスクス笑った。 「成る程…。  流石は天然エロ魔神の旦那様でございますねぇ…。  まぁ、マッサージの一環なら構いませんが、リミッターが外れてがっついたりなさったら、即ペナルティですからね?  少しは自重なさって下さると助かりますね…」  苦笑いをして、弓削は二人に毛布やベッドカバーを掛ける。 「龍嗣、困ったり嫌だったり、面倒臭かったりしない…?」 「どんな理由だろうと、恋人にベタベタ触れるのを嫌がる人間はいないだろ?  逆に、私が同じだったら、君はどうする?」 「…多分、痛い所をさすったり、ハグすると思う…」 「………だろ?  それと同じだ。  ただ、私の場合は、欲求不満を埋める為に少しばかりベタベタするけどな…」  クスクス笑うと、つられて璃音も弓削も笑った。 「璃音様、本当にこんなエロ魔神を生涯の伴侶になさって大丈夫でございますか?  引き返されるなら、まだ間に合うかと思いますが…」 「うん。  僕は、龍嗣がいい…」  璃音が少しだけ穏やかな顔になってきたのを見極め、弓削は 「くれぐれも一線は越えないで下さいね!?  璃音様も、絆されて体を許してはいけませんよ?  明日から学園祭なんですから!!」  …と、重々と二人に釘を刺して寝室を後にした。 「私は弓削に、何処までケダモノと思われているんだ…」 「さあ…」  拗ねる龍嗣の唇を啄み、璃音は慰めたのだが…。 「私を底無しのケダモノ、この世で一番の性欲の塊とか思っていそうだ…」 「それは無いと思うけど…。  龍嗣と弓削さんの間には、ちゃんと信頼関係が成り立ってるんでしょ?」 「………」  返答に詰まる龍嗣。 「な、何故そこで黙っちゃう訳?」  信頼関係について即答出来ない龍嗣を、璃音は驚きの目で見た。

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