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少し踏み込んだスキンシップを許可して数日…。
璃音が倒れただの、足を引きずっているだのという報告が無く。
見たところ、龍嗣の焦燥っぷりも鳴りを潜めているようなので、許可を出して良かったと白川は思う。
それなりに龍嗣も気を使っているのだというのが窺い知れて、白川医師の締め付けも少し緩くなった。
「それにしても、こんなにゾロゾロ押しかけていいんですか?
氷室さんや弓削さん達ならまだしも、私は親戚筋でもないのに…。」
「白川先生に、おいしいケーキを御馳走したいそうですので、お気遣いなく。
生徒一人につき、招待枠が10人まであるんですから、まだまだ余裕ですし。」
「なら良いんだが…。」
「それに、先生が一緒なら、旦那様も璃音様も暴走出来ませんので、大歓迎なんです。」
運転しながら、ニヤリと弓削が笑う。
「忍も先生もあんまり締め付けると、璃音が拗ねるかもしれないよ?」
「拗ねた顔も可愛らしいですから、たまに見たいですねぇ…。」
優が茶化すと、弓削が更に切り返す。
居心地の悪い龍嗣と、たまには意趣返ししておこうという関係者を載せたワンボックスが、学園都市の駐車場へと滑り込んでいく。
フロントガラスにつけたチケットに反応して、中等部側の駐車場へと通路のガイドが点滅した。
軽自動車や普通車、ワンボックスなどが振り分けられていて、小鳥遊の車も東側に誘導される。
「久々に来たなあ…。」
優、小鳥遊、依留も、懐かしそうな顔をした。
駐車場に車を収め、全員が降り立つ。
緑地帯や公園も併設された中等部は、開放的な雰囲気をしていた。
昨年、璃音を引き取った際に訪れた後、ほとんど足を踏み入れていなかったので、龍嗣は懐かしさを覚える。
「では、早速参りましょうか?」
一階の奥へ向かって歩く一行。
子供達の作品などが展示されたり、各教室では様々な展示がされている。
一番奥のカフェテリアに近づいた時、フワリと甘い香りが龍嗣の鼻をくすぐった。
「……………?」
璃音の肌の香りだと気が付いた時には、駆け寄ってきた黒い人影が「おとうさんっ!!」と、抱きついている。
『大好き!!』というオーラが駄々漏れで、ギュウッと抱きついた璃音は、黒いメイド服に何故か尻尾が生えていた。
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