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「………」  テーブルについた一行を、安曇たち執事チームが控え室からジッと見詰めていた。 『ねえねえ、小鳥遊さんに、依留さん、纐纈さんに、弓削さんって…。  もしかして、璃音くんに求愛したのって、あの人達!?』 『やだ…勝ち目ないじゃない!!』 『それに、璃音くんが抱きついてた人…全日本メンバーでオリンピックに出てた人じゃないの?』 『……ホント…。  実業団バレーの選手だった人だよ、あの人…』 『確か、事故が原因で引退したんじゃなかったっけ…』 『じゃあ、璃音くんの番いの相手って…』 『やっぱり抱きついた人よね…?』  複雑な顔付きになった安曇達四人は、水上本家の命で潜入した子供達だった。  余計な情報を得る事で璃音の両親にバレないようにとの措置だったようだが、潜入した四人にとってはたまったものではない。  水上一族の中でも、優秀な人物が璃音を取り巻いていたからだ。  元々は要人警護の職に就く予定だったが、MBAを取得して水上マテリアルの経営も任されている弓削忍。  現在研修医で、水上系列の総合病院を継ぐ予定の小鳥遊玲。  一度見た物を忘れないカメラアイを持ち、経理、税理だけではなく、経営に関しても多数の資格を持つ御崎依留。  電子工学を修め、水上マテリアルの工業部門統括を務める纐纈優。 『ふつう、一人に対して求愛するのは二人位なのに、璃音くんに求愛したのは四人…ってこと?』 『多分、もう二人いる筈よ』  鈴音が呟く。 『……もう二人!? 嘘…っ!!』 『だって、うちのお父さんが言ってたもの。  鬼夜叉の下の子には、総一とまりあが求愛してる、って…』 『…じゃあ……』 『少なくとも六人と、璃音くんが噛んだあの人…。  番い候補が合わせて七人はいるってことになるわよ…!?』  少女達は青くなった。  番い候補があれだけ乱立しているからこそ、璃音は自分達に目を向ける余地が無かった訳だ。 『それにしても』 『璃音くんが抱きついたあの人…』 『すっごいエロそう…』 『ホント…すっごいえっちぃ感じがする』 『番いって事はさ』 『子猫に虎が乗るみたいよね…』 『やだ…、考えたら、凄い変な感じに見えちゃうじゃないっ!!』  控え室の少女達が散々な事を言っているとは、思いもよらない龍嗣と璃音なのだった。

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