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「あ…、あれは…っ。  だって、何日も龍嗣が会社に缶詰めになってて…」  恥ずかしくて、顔から火が出そうだ。 「僕……、怠くて早く寝たら、途中で目が覚めて…それで…書斎に行ったら…。  ちょうどそこに龍嗣が帰って来て…」 「………?」  順序立てて思い出すにつけ、赤面してしまう。  書斎のソファに腰掛けて、お互い少しだけ唇を啄んだり、ハグして終わろうと思った。  だが、あの日は本当にお互いが焦れに焦れていたから…。  体を繋ぐのを控えていたせいで、一気に箍が外れてしまって…。  龍嗣を悦ばせたくて、乞われるままに乗っかってしまったのだ。  璃音が淫らになればなる程、龍嗣は悦ぶし、璃音の中に熱い蜜をたっぷりと注いでくれる…。  龍嗣が限界を迎えて熱くて白い蜜を最奥にたっぷりと放った瞬間は、璃音の全身を痙攣させ、えもいわれぬ快感が脳髄まで突き抜けて溶けそうになるのだ。  だから、いつも達きそうな時は、璃音も懇願する。  総てを注いでほしい、と。  それが、あまりにも浅ましい懇願だったから、龍嗣以外の人間に聞かれて恥ずかしくなった。  ましてや、弓削には余計に…。 「旦那様に突き上げられて、体を弓なりに反らして鳴かれるのは、本当に可愛らしいと思いました。  キリキリと乳首が尖って、ふるふると震える様も、大層艶っぽくて…。  あんなふうに鳴かせたいと思ったら、私まで焦れ焦れしてしまったんですがね…」 「も…、もう忘れて、弓削さん…っ」  羞恥で頬が真っ赤になる璃音は、弓削への申し訳なさよりも恥ずかしさの涙を浮かべている。 「忘れてなんかあげません」 「………っ!!」 「あの可愛らしさは、この私、しっかりと目に焼き付けさせて頂きました。  番いになれない分の、意趣返し…ですね」 「………ダメ?」 「それくらいは、甘受なさって下さい。  身も心も焦がすような恋を抑えてるんですからね?」  クスクス笑いながら、弓削は璃音の額に口づけを落とす。 「ついでに、良心の呵責に苛まれる可愛い璃音様を、私の方から振って差し上げましょう。  それなら大丈夫ですね…?」 「………っ!!  ごめんなさい…。  僕…………っ、弓削さん、ごめんなさい…っ!!」  ボロボロ零れる涙を吸い取り、瞼に口づける。  最後まで弓削は璃音を甘やかしてくれたのだった…。

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