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「社長は、もともとタイプじゃなかった筈だもの…。
そうよね?忍?」
「ええ。
水上邸に何度か訪れた時も、全く眼中にありませんでしたよ。
どちらかというと、"直情馬鹿"の方がタイプだったようですけど…」
「…直情馬鹿…? 誰だよそれ…」
「厨房の主…」
小鳥遊の問いに、依留が指差す。
「…まさか……鬼の…上のガキ…?」
「そ。水上社長にそっくりの、ね…」
厨房でパンケーキを焼いている瑠維を、小鳥遊は視界の端に捉えて囁く。
「………趣味、…サイ…アクっ…!!」
「………悪食っぷりは、貴方と大差無いでしょうに」
弓削と優がクスクス笑っている。
「今は、まだ一人に囚われてますが、再選定の時には台風の目になるでしょうね…。
血の濃さは極上…晶譲りの強情なまでの一途さ………。
多少の跳ねっ返りは調教次第。
鬼畜タイプの貴方にはピッタリな相手なのでは?」
うっそりと笑いながら「調教」と口にする弓削。
「ただの流されやすそうな、ガキだろ…?」
「解りませんよ?
何せ、璃音はエロ魔神の手で仕込まれて、あれだけ見事に極上の獣になりました。
同じ鬼の子…あれも、それだけの素質を隠し持っていないと言い切れますかねぇ…?」
「そうだね…黒い子(璃音)は慈しまれて開花するタイプだったけど…。
茶色い子(瑠維)は、少し手荒くされて開花しそうな感じがする…。
Sっ気のある玲や忍なら、相性いいんじゃないの?
食いでがありそうだし、調度いいと思うよ」
「優…。
私は玲のような悪食ではありませんよ?
一緒にしないで貰いたいですね」
「俺だってゴメンだぜ…。
あれを食うなんて考えたくもねぇし」
弓削と小鳥遊は、忌ま忌ましげにそっぽを向く。
「似た者同士の同族嫌悪みたいね」
「たしかに」
依留と優がクスクス笑った。
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