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 白川医師の一言に、璃音も千尋も首を傾げる。 「似てる?」 「似てるかなあ…?」  お互いの頬をムニムニしたりして、何となく検分しているのだが、サッパリ分からない。 「顔は似てないけど、雰囲気が…。  …そうか。  二人とも、雰囲気が荊櫻に似てるんだワ。」  パソコンデスクの上に直立し、器用に顎に前足を当てて猫が指摘した。 「そうよ。  二人とも顔は違うけど、荊櫻の雰囲気に似てる。  あとは………そうねぇ…、小動物っぽいワね。」 「「小動物…?」」 「なんとなく、よ?  イメージ的に小動物っぽいというか、小悪魔みたいな感じが似てる。」 「「それ、褒めてるんだか、けなしてるんだか分かんない…。」」  揃って頬を膨らませる二人に、龍嗣も鷹也も可笑しくて笑ってしまった。  拗ねた二人をどうにか宥め終わった頃、瑠維や小鳥遊、弓削達が璃音の研究室に到着した。 「結局、ほとんど学園祭を見ないままで、実験棟に行ったり、ここで拗ねてらしたんですか?」  おかわりのお茶を煎れながら、弓削は呆れてため息を漏らす。 「だって…。」 「ねえ…?」  璃音と千尋が目を合わせる。 「ま、どっちも可愛いから、場が和んだし…。  璃音にとっては、珍しく話の合う女の子の友人が出来て良かったんじゃないか?」 「そうそう。  千尋も結構人見知りが激しいから、こんなふうにスムーズに話せる友達が出来て、私も嬉しいですよ。  千尋、話の合う貴重な友人は、きっちり離さないようにしないといけないよ?」  龍嗣と鷹也もご機嫌だ。 「…同じ水上の血を引いてても、千尋は俺には警戒心バリバリだからなぁ…。  普通に話しかけようとしてんのに、警戒しまくるし。  クリニックの中で俺とすれ違う時なんか、まるでケダモノ見るみたいに避けてくぜ?」 「玲、何を言ってるんです?  水上きってのケダモノが。  子供は危険物には敏感なんですから、刺激するのはやめてくださいね?  つか、あなたの場合は、すれ違うだけでも相手にとっては貞操の危機に繋がってるんですから、ちゃんと自重して下さい。」 「なっ、なんて事言いやがる!!」  ぽんぽんとハッキリ言い切る弓削に、心底傷付いたような顔で小鳥遊がかみつく。  普段見ることのできない一面を見て、璃音も千尋も龍嗣も鷹也も、腹が痛くなるほどに笑った。

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