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 水琴窟(すいきんくつ)のような音がして、璃音のポケットの中身が揺れている。 「ん…、なぁに…?」  夢中で龍嗣の舌を吸っていたのに中断されて、璃音は半ば不機嫌で携帯電話を取り出した。 『着信・白川先生』  珍しく、白川が電話をかけてきたのだ。 「も…、もしもし…?」 『もしもし…?璃音くんかい?今日は色々見せてくれて有り難う。  気難しい千尋とも仲良くしてくれて、凄く嬉しかった』 「いえ…、そんな…」 『あれだけの研究をしていれば、体の栄養が頭に取られるのも頷けたよ。  部門統括から引いて成長も軌道に乗ってるし、気持ちも安定していて経過も順調なようだから…』 「………?」 『氷室さんの我慢強さに感服したのでね、君の頑張りと合わせたご褒美で解禁しようと思うんだが』 「かいきん…?」  龍嗣との深いキスで、蕩けた頭はうまく回らない。 『お預けさせていた事なんだが、月に一回位なら、さほど影響がないかなと思ってね』 「………え?」  未だ話が読めない。 『強硬に反対してしまっていたから、繋がらないかな?  ま、平たく言うと、一ヶ月に一回だけ、えっちしていいと言うことだよ?』 「え……?えええええっ!?」  担当医師からの意外な言葉に、璃音は驚愕した。 『一応、氷室さんに代わってくれるかい?』 「は、はい…」  状況が読めない璃音は、慌てて龍嗣に電話を差し出す。 「龍嗣、白川先生が代わって、って…」 「………?  もしもし?氷室です」  白川は、龍嗣にもゆっくり説明を始めた。 『さっき、璃音くんにも軽く説明したんだが、ずっと蛇の生殺し状態のままで置くのも酷だなと。  先日の、踏み込んだスキンシップ解禁でも影響が出てないから、かなり経過が順調なので、一ヶ月に一回だけ、えっち解禁してみようと思います』 「………はい?」 『ま、条件としましては、あまり羽目を外し過ぎない事と、足腰が立たなくなるまでしない事…ですかね。  医師が若年者との性交渉に許可を出すのもどうかと思いますが、どうもお互い肌を触れさせておく方が、璃音くんの成長も進みやすいようですし』 「………」  今まで強硬に反対していた医師の言葉とも思えず、龍嗣も言葉を失ったままだ。  何せ、体を繋げていいとお墨付きを寄越すとは思わなかったから。

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