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「なんだか可笑しいね」
思い出したように呟く璃音。
「…ん?」
「だって、僕と龍嗣の間で決める事でしょ?
体を繋ぐのもしないのも。
なのに、弓削さんや白川先生、水上のおじさん達に横から"駄目だ"って言われたり、"していいよ"って言われるのって、おかしいなって思ったんだ…」
「気が合うな。
私もさっきそう思った。
白川先生に言ったら、きっと大人げないと思われそうだから、やめたんだけどな…」
悪戯っぽく笑い、龍嗣は璃音を抱き寄せる。
「ま、定期検診の結果も上々のようだし、晴れて許可も出たからな…。
帰ったらじっくり可愛がってあげような」
「なんか、言い方がえっちい」
「そりゃ、エロ魔神ですから」
二人で噴き出した所で、黒豹と白虎がパソコンデスクに向き直った。
「グルグル…」
放ってあった龍嗣の携帯をくわえ、黒豹がほてほて歩いて来る。
「ん?どうしたの?」
「クルクル…」
璃音に携帯を渡し、龍嗣の手を甘く噛む。
『メール着信・弓削』と表示されていた。
「龍嗣、弓削さんからメールが来てる」
「ん…?」
受信フォルダの弓削のメールを開く。
『送信元・弓削
旦那様、連絡が遅くなり申し訳ありません。
先程、白川先生をご自宅にお送り申し上げた後、雪が降って参りました。
が、一気に降り方が酷くなった為、市内の主要道路が渋滞しており、私、未だ南区の方で立ち往生状態でございます。
学園への到着に時間がかかりそうですので、今暫くお待ち下さいませ。
学園付近に差し掛かりましたら、改めてご連絡いたします』
「………雪?」
窓の外へ目をやると、確かに雪が降っている。
璃音を抱っこしたまま窓際へ寄ると、結構な勢いで雪が降っているのだ。
「雪っていうより、猛吹雪みたいだね」
木々の梢が揺れ、横殴り状態の吹雪いており、爆弾低気圧の吹雪のように、ごうごうと風の音もしている。
「………あれ?
市内の方、停電してるんじゃないかな…?」
確かに、いつもは煌々としている筈の光が全く見えない。
「無理に迎えに来て貰わない方が良さそうだな」
「そうだね。
この研究棟は自家発電できるから、一晩くらいは大丈夫だと思うよ?」
「じゃあ、弓削に連絡しよう」
龍嗣は弓削の携帯を呼び出した。
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