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璃音が簡単な朝食を用意していると、龍嗣がシャワールームから出てきた。
「………?
昨夜、かなりがっついたから、足腰が立たなくなってると思ったんだが…大丈夫なのか?」
「うん。
思ったよりダメージが無いというか…。
どっちかというと、龍嗣にがっついて貰ったから、気持ちがざわつかないし、満たされてる感じがする」
穏やかな顔の璃音は、照れ臭そうに笑う。
「後ろもヒリついたりしないか?」
「ん―…、それは少しあるけど、昨日の内に龍嗣が薬を塗ってくれてたから、そんなに痛くないよ」
「そうか…」
ホッとしつつも、璃音の足取りを注意深く見てしまう龍嗣。
「大丈夫だってば。
少し背丈が伸びた分、体も丈夫になってると思うし。
誕生日までには、もう少し頑張って龍嗣好みのやらしいカラダになるからね?」
小首を傾げて笑う顔は、無邪気さの中に艶っぽさが混じっている。
今すぐ押し倒して存分に啼かせたい衝動を堪え、龍嗣は璃音が用意した朝食をつまんでみた。
「…お?」
「え…っ!? もしかして味がおかしい?」
「いや、逆だ。かなり美味い」
ニコニコとつまむ龍嗣の表情に、漸く璃音もホッと胸を撫で下ろす。
「良かった…。
塩加減とか間違えたかと思って焦っちゃった。
龍嗣の口に合って良かったよ…。
じゃ、食べよう…?」
「ああ」
まだエクステンションが付けられたままの髪は、龍嗣がツインテールに結い直した。
寝癖がついてしまったのを、蒸しタオルと三つ編みでゆるふわな髪型に仕上げ直したので、可愛らしく見える。
結い上げた髪と昨日のメイド服を着ているせいか、やはり妙な気分になってくる。
『この滲み出るエロ可愛さと純真無垢な子猫っぽさのアンバランスが堪らないんだが…。
何と言うか…表現が見当たらん』
暫し考え込んでいると、璃音が龍嗣の袖を引いた。
「龍嗣、大丈夫…?」
「あ? あぁ。
少し考え事をしてしまっただけだ」
「考え事…?」
「今日の璃音が、どうしてこんなにエロ可愛さが炸裂して見えるんだろうか、と…」
「エロ……可愛い…?」
「そう。 エロ可愛いんだな…、これが」龍嗣の言葉が良く解らず、璃音はますます首を傾げる。
「い、一応、誉めてるんだぞ?」
「……」
璃音は、ますます混乱した。
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