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「んあ……………っ!!」
ドクン…ッ。
最奥へ龍嗣が白蜜を放ち、同時に璃音も薄い蜜を龍嗣の手の中で溢れさせた。
璃音に見えるように、龍嗣はその蜜をすべて舐め取る。
その様を見て、璃音は恥ずかしそうに俯いた。
お互い、弛緩する腕を絡めて、頬を擦りつけ合う。
「凄くよかった…。
こんなに蕩ける璃音は、本当に可愛くて綺麗だぞ…」
「ホント…?
本当によかった…?」
「ああ…。
体が蕩けてしまうかと思ったんだからな…」
余韻に震える体を抱きしめ、軽く唇を啄むと、璃音は潤んだ瞳を龍嗣に向けた。
「待ってて…結婚式までには、もっとやらしいカラダになっちゃうから…」
「これ以上やらしいカラダになったら、片時も離せなくなるんじゃないか?」
「そうなりたい…。
だって、龍嗣には…いっぱい悦んでもらいたいから…」
はにかむ璃音は、色香が少しずつ抜けていき、いつもの幼さが戻ってくる。
「あのね…、各務の子供は、いっぱい愛されて、極上の快楽を番いに味わって貰うのが、一番の喜びなんだって…前に父さんが言ってた。
絶対離したくなくなるくらいのケモノにならなきゃいけないって…。
それもあって、本家のおじさん達が龍嗣と番いになるのを反対したらしいけど…」
「そうなのか…?」
「龍嗣が恋人を取っ替え引っ替えしてたから、子供の僕を伴侶に育つまで、多分待ちきれないんじゃないかって…そう思ったって…。
子供過ぎるから、相手にされないまんまで、龍嗣に焦がれて死ぬしかないんだろうって…」
「予想を大きく外れて、こんなにがっつく仲なのにな。
失礼なジジイどもだ…」
クスクス笑う龍嗣に、璃音が優しく口づける。
「………だからね、結婚式には皆をビックリさせちゃうんだ…。
あ、それとね…」
「ん………?」
「今はまだ言えないけど、龍嗣に内緒の事があるんだよね…」
「内緒………?」
「ん。
でも、近い内に話せると思うから待ってて…。
もしかしたら、龍嗣は少し怒るかもしれないけど、必ず話すから…」
「わかった。
敢えて何かは聞かないけど、時機が来れば話せる事なんだな?」
「うん」
龍嗣は訳を聞かなかった事を、後々深く後悔する事になる。
最悪な方向から引き返すターニングポイントを、一つ逃してしまったのだから…。
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