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 ゴスッ!!  物凄い音が炸裂したのも、総一を殴ったのが小鳥遊だというのも、その場にいた全員にとって驚きだった。 「玲っ、すんげー痛ぇよ!!」  ズキズキする頭を押さえる総一を一瞥し、小鳥遊がため息をつく。 「お前な…、正面にまりあがいるっつーのに、無神経過ぎなんじゃねえの?  つか、お前、そういう趣味な訳?」 「「………………!?」」  総一やまりあだけでなく、弓削、瑠維、璃音が、小鳥遊を凝視した。 「……嘘…ッ、玲がまともな事を言ったわ!!」 「これは夢ですか?  玲、貴方がまともな事を言うなんて、何か悪い物でも食べたんじゃないですか!?」 「な…っ、俺がまともな事言ったらおかしいのかよっ!?」  憤慨する小鳥遊に、弓削が動揺を隠せないまま詰め寄る。 「今までの玲なら、さっきの総一よりも下世話な話をバンバンしてるでしょう?  それこそ、雪を調教して好みの相手に育てときゃ良かっただの、耳を塞ぎたくなるような下半身ネタを披露してたでしょうに。  さあ、とっとと吐きなさいっ!!  どんな怪しい物を食べたんです?  それとも、未確認飛行物体にさらわれて、何か埋め込まれでもしましたか!?  さあ、吐きなさいっ!!」  璃音と龍嗣の情事を目撃した時すら冷静さを失わなかった弓削が、明らかにうろたえている。  小鳥遊の両肩を掴み、かなり激しく揺さ振っていて、その弓削の動揺っぷりが、璃音と龍嗣には驚きだった。 「テメ、何言ってやがる!!  俺だって、たまにゃ真面目な事くらい言うときがあるっつの!!  年がら年中サカってると思われたら、やってらんねーし!!」 「ぷ………っ」  顔を真っ赤にして怒鳴る二人が、何だか妙に可愛いと思い、璃音は我慢しきれず噴き出した。 「「………?」」  璃音の思わぬ反応に、つかみ合う寸前だった弓削と小鳥遊も止まる。 「あ、ごめんなさい…。  だって、弓削さんも玲も、本気で動揺してるのが可笑しくて…。  ダメ、もう我慢ができないや…。  ふふ…、あはははは…っ」  コロコロと、鈴を転がすように笑う璃音を龍嗣が窘めるが、壺に嵌まったらしい璃音は止まらない。  そんな璃音につられて、まりあと総一も笑い…。  更に釣られた瑠維が大笑いすると………。  お互い胸倉をつかみ合っていた小鳥遊と弓削までが釣られて笑ってしまっていた…。

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